ポルトガル ミーニョ大学 

掲載日:2024-3-28

ミーニョ大学

2023年度 ヨーロッパ〈ポルトガル〉

K.O.(人間社会学域地域創造学類 4年)

私は202210月から20237月までの9か月間、ポルトガルのミーニョ大学に留学していました。この話をするとよく皆さんから「なぜ、ポルトガル?」と聞かれます。理由は複数あります。まず、小学生のころ本でリスボンの写真を見てその美しさに心を奪われ、それ以降ポルトガルに行きたいと思っていました。また、私の専攻は観光と文化で、長い歴史や伝統文化、人気の観光地を持つポルトガルは学ぶ場所として最適でした。さらに親戚が日系ブラジル人で私も実際にブラジルに行ったことがあり、ポルトガル語に触れた経験がありました。これらの理由から私は、ポルトガルのミーニョ大学を留学先に選びました。

留学前にしておくと良いことは、英語の学習と、日本で普段の授業に意欲的に取り組むことです。私は現地でポルトガル語の授業を受けており、初期は英語で行われていたので英語が分かることは前提となっていました。また、同じく海外から来た留学生とは基本的に英語で会話をしたので、英語圏以外の大学に留学する場合でも英語を学んでおくべきだと思います。また、日本で高い成績を取っていれば申し込める奨学金が多くなるので、留学を考えている人は1年生のうちから授業に意欲的に取り組むことが大切です。

留学先の情報で大切になるのは、履修できる科目と生活環境だと思います。例えば、インターネットで公開されているシラバスと、実際に履修できる科目が違うなどということが起きるので、事前にメールなどで確認しておくといいと思います。あとは生活環境です。私は最初大学の寮に入っていましたが、問題が生じ途中でシェアハウスに引っ越しました。貴重な数ヶ月間の留学を充実させるためにも、生活環境は重要だと思うので、同じ留学先に行った先輩のレポートを読み、可能であれば話を聞くことを強くおすすめします。

ポルトガルの公用語はポルトガル語であり、大学の授業の多くもポルトガル語でした。私は、言葉は文化の一部であり、その国の文化に適応するためにはまず言語を学ぶ必要があると考えました。以前ブラジルに行った時に少しポルトガル語を覚えたのですが、挨拶や数字の読み方だけでありほとんど何も知らない状態からのスタートでした。そこで、大学が正規の学生以外にも提供しているポルトガル語の授業を受講し、前期は言語だけを集中的に勉強しました。語学の授業はアルファベットや挨拶といった本当の基礎から始まり、文法や日常生活で使える表現なども学びました。クラスメイトは世界各国から集まった、年齢もバラバラの約30人、みんな積極的に発言し毎日の授業が刺激的でした。私も負けないように積極的に質問したり意見を述べたりしましたが、後期から大学の正規の授業を履修する関係で早くに習得する必要がありました。そこで放課後や休日は、大学の図書館に通い予習、復習を行い、それに加えて自分でテキストを買って、授業プラスアルファの学習をしました。それから、友人の存在はとても大きかったです。ミーニョ大学には、日本語や中国語を学ぶ学部があり、日本語を学んでいる友人と一緒に勉強し、お互いの言語を教え合っていました。この教え合いは本当に有意義で、楽しい時間でした。そして言語学習ではアウトプットが大切だと感じていて、私はルームメイトや学校の友人、店員との会話を通して会話力を向上させました。後期のポルトガル語での大学の授業では、全てを理解することは難かったですが、先生の質問への返答や、他の学生と会話ができるようになっていたので、授業に前向きに参加することができました。このように、言語を学んだことで友人の輪が広がり留学をより楽しめたので、頑張って良かったと思っています。

留学中の思い出の一つに現地でのスポーツがあります。私はサッカーとバレーボールの経験があったので、現地で毎週両方のスポーツをしていました。ポルトガルでは他の多くのヨーロッパの国と同様サッカーが最も人気なスポーツであり、私も教授や大学院の学生で構成されるコミュニティや、町の子どもたちと日常的にサッカーをしていました。また、バレーボール部に所属し週二回のトレーニングをしていました。大学内の大会にも出場し、3位になったことはいい思い出です。バレーボール部の友達とはトレーニング後にご飯を食べに行ったり、誕生日パーティをしたりと本当に仲良くなりました。スポーツを通して友人がたくさんでき、私の留学が充実した大きな要因の一つです。

留学中苦労したことは、先ほど述べた寮生活と風邪をひいたことです。寮ではルームメイトと2人で1つの寝室を使用し、キッチンなどは供用となります。私は寮生活の間に多くの問題に直面し、ストレスを抱えていました。そんな悩みを抱えていた時、ミーニョ大学の友達や日本人の先生が相談に乗ってくれました。一緒に引っ越し先を探してくれ、結果的に快適なシェアハウスに引っ越すことができました。また風邪をひいた時には、現地や日本人の友人が薬やお弁当を作って持ってきてくれるなど、本当に助けられました。助けてくれたみんなには本当に感謝していて、私は本当に人に恵まれたと思っています。それと同時に、問題が起きたときには1人で悩まずに人を頼ることが大切であり、それは恥ずかしいことではないということを、身をもって学びました。

私はこの留学で得た人との繋がりを大事にしたいと思っていて、日常的に現地の友人とのチャットや電話をしています。また金沢大学のポルトガル語話者の留学生との交流や、検定の受験でポルトガル語に触れることもできています。そして、私自身留学中に現地の友達にたくさん助けてもらったので、今度は私が留学生に何かサポートをしたいと考え、留学生の授業に参加したり、チューター活動を行ったりしていて、これからも続けていこうと思っています。卒業後も、この留学経験を通して培った力を活かしたり、後輩に還元できたりする仕事をしたいと思っています。

この派遣留学を通して、私は自分自身に自信を持つことができるようになりました。それは全く知らない土地で、環境に適応し充実した生活が送れたからです。そしてそれは、たくさんの友人や先生のおかげであると同時に、ほぼゼロから言語の習得に本気で取り組み話せるようになり、スポーツや会話でのコミュニケーションによって、世界中の人と心を通わせ繋がれる経験をしたからでもあります。これから留学に行かれる皆さんには留学中、言語を積極的に学ぶこと、誰かに何かを誘われたら一度はやってみる、行ってみることをおすすめします。日本ではできない経験が思わぬところでできるし、そこから友人の輪が広がるからです。そして、困ったときにはどんどん誰かを頼ってほしいです。皆さんを助けてくれる人はきっと世界のどこにでもいます。これから新しい世界に挑戦される皆さんを応援しています。

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