フィンランド ユバスキュラ大学

掲載日:2024-10-8

ユバスキュラ大学

2023年度 ヨーロッパ〈フィンランド〉

S. R.(融合学域 先導学類 3年)

私は2023年の8月~2024年の5月末までフィンランドのユバスキュラ大学に留学していました。フィンランドを選んだ理由としては、自分の研究テーマであるウィルビーイングについてより深く知りたく、世界一幸福な国として知られているフィンランドで実際に生活し、その理由を知りたいと思ったからです。現地のユバスキュラ大学では、ビジネス学部の留学生として講義を受けてましが、ビジネス関連の講義だけではなくフィンランド語やコミュニケーションについて、異文化理解、ウェルビーングとSDGsなどの自分の興味のある講義も受けることができました。そして約10ヶ月フィンランドで過ごし、日本では中々できない貴重体験をしてきました。そこで、ここでは印象に残った出来事や、自分の中で変化した価値観などを紹介したいと思います。日常生活において、最も日本で異なっていると感じたのは日照時間でした。フィンランドは地形的に北緯60度より北にあります。従って、夏と冬の日照時間は極端に変わります。私がフィンランドに着いたすぐ8月頃では、日の出は3時から4時ぐらいであり、完全に日が沈むのは23時ぐらいでした。日本は夏でも19時に日の入りしてしまうことから、日照時間が長い夏のフィンランドはすごく新鮮でした。1日がとても長く感じることができ、時間的には夜なのに、視覚的・自分の体感的にはまだ夜でないことに不思議な感覚に陥りました。一方で冬は午前の10時・11時まで太陽を見ることができなくて暗いことが多いです。また明るくなったと思っても15時ぐらいにはすぐに太陽は沈んでしまいます。従って、冬の1日は暗い朝か始まり、現地の大学で講義が終わって帰る際にはもう既に暗くなっています。初めはこのような違いに戸惑いがありましたが、暗くて寒い過酷な冬をどう楽しく過ごすかを知ることができました。フィンランドでは過酷な冬では、家の中をキャンドルなどできれいに装飾して料理や編み物を楽しみ、温かい飲み物を飲みながら友人や家族と穏やかな時間を過ごします。私も仲の良いフィンランドの友人と一緒に料理を作りながら他愛のない話をして御飯を食べ終わると、照明をおとし甘いデザートを食べながら将来の事や自国の文化や政治・制度の事など少し踏み込んだ話をしてより仲を深めました。私はこのゆったりとした空間が物凄く好きで、とても癒された思い出です。日本にいると時間を効率よく使おうと思いついバイトや部活などで予定を詰めてしまいますが、フィンランドでは予定がない日や時間を大事に過ごします。このような日常的な時間や空間の在り方が世界一幸福な国に選ばれる理由の一つだと感じました。留学を終えて振り返ると、色んな文化を持つ人と過ごす日々で、自分にはなかった新たな価値観や考え方が出来ました。その為、今まであった固定概念などが無くなり、より自由な発想で楽観的になれたような気がします、加えて新しい友人をつくったりコミュニティに参加したりすることに積極的になり、自分の意見や提案が言いやすくなりました。

またユバスキュラ大学では、“Local Friend” といった制度があります。これは、現地の学生だけではなく、家族やカップルなどの異文化交流したい人と他国からの留学生をマッチングし、文化交流や留学生の活動を促進する為の制度でした。私はユバスキュラ市から車で30分ほどに離れたところに住んでいる4人家族とマッチングしました。家族には2人の幼い子供たちもいて、とても微笑ましい雰囲気でした。“Local Family”では週に1度ほど会う予定を決めてお互いの文化について教え合ったり、経験したりします。実際に私はフィンランドのイースターを経験することが出来ました。子供たちと一緒にチョコレートエッグを探したり、イースターの装飾を手伝ったり、イースターの特別な食事をいただきました。他にもフィンランドの家庭料理や遊びなどを教えてもらいました。その代わりに私は、日本の現状や若者文化、また日本食などを振舞いました。初めはフィンランド語しか話さない子供たちと打ち解けられるか不安でしたか、帰国前の最後の日には「一緒に過ごせて楽しかった」と言ってもらえることができました。最後にこれから留学をしたいと思っている皆さん、留学に対して初めは不安があると思います。知らない土地で言語の壁があり、頼れる人が少なく大変に感じるかもしれません。しかし深刻に悩まなくも、状況に合わせてなるようになると思います。特に長期留学はその土地の文化を実際に学ぶことができるだけでなく、日本にいるだけでは中々会えない、世界中から来た人たちと一緒に多くの経験を共有できる貴重な場です。ぜひ勇気を出して留学に挑戦してみてください。

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