わが国のヤコブ病の実態を解明! —10年にわたる大規模調査で欧米との違いが明らかに—

掲載日:2010-9-29
ニュース

ヤコブ病(クロイツフェルト・ヤコブ病)は“感染する認知症”として知られており,特にBSE(ウシ海綿状脳症)に汚染されたビーフを食べることによって感染する“変異型”とよばれるタイプは世界的な問題になっています。
厚生労働省のクロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会の委員長を務める本学大学院 医学系研究科 脳老化・神経病態学(神経内科)山田正仁教授を中心とする研究グループは,1999年から1,200名以上の患者さんのデータを収集・解析し,わが国のヤコブ病の実態を解明しました。この成果は英国Brain誌に掲載予定で,9月20日にオンライン版に公表されました。
この研究で,わが国では変異型ヤコブ病は1名だけであること,欧米諸国と比較して硬膜移植に関連するヤコブ病が非常に多いこと,欧米人とは著しく異なる日本人に特徴的な遺伝子の変化の影響を受けていることが明らかになりました。プリオン病の発症要因を解明するための重要なデータとして世界中から注目されています。

Ichiro Nozaki, Tsuyoshi Hamaguchi, Nobuo Sanjo, Moeko Noguchi-Shinohara, Kenji Sakai, Yosikazu Nakamura, Takeshi Sato, Tetsuyuki Kitamoto, Hidehiro Mizusawa, Fumio Moriwaka, Yusei Shiga, Yoshiyuki Kuroiwa, Masatoyo Nishizawa, Shigeki Kuzuhara, Takashi Inuzuka, Masatoshi Takeda, Shigetoshi Kuroda, Koji Abe, Hiroyuki Murai, Shigeo Murayama, Jun Tateishi, Ichiro Takumi, Susumu Shirabe, Masafumi Harada, Atsuko Sadakane, Masahito Yamada. Prospective 10-year surveillance of human prion diseases in Japan. Brain 2010 Sep 20 [Epub ahead of print: http://brain.oxfordjournals.org/content/early/2010/09/19/brain.awq260.full.pdf+html]

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