南イタリア中世壁画群診断調査プロジェクトの研究成果を現地で発表

掲載日:2012-9-6
ニュース

南イタリア各地の中世洞窟壁画群は,重要な文化財でありながら消滅寸前の状況にあります。本学人間社会研究域フレスコ壁画研究センターは,この壁画群を高精細な三次元データで記録・保存し,デジタルアーカイブの形成をめざしています。
9月5日,6日の2日間にわたり,イタリアのグラヴィーナ・イン・プーリア市において,関係者や市民に向けて中世の洞窟壁画保存の重要性を理解してもらうことを目的に,調査研究の成果を発表しました。
5日は市主催の講演会で,市長の挨拶に続き,本学フレスコ壁画センター長の宮下孝晴教授が「中世洞窟教会に描かれた壁画の歴史的重要性」について講演を行いました。
翌6日は同センター主催で研究成果発表会を行い,調査研究の成果と構築中のデジタルアーカイブの一部を紹介し,現地の博物館にサン・ヴィート・ヴェッキオ教会の1/60樹脂模型を贈呈しました。さらに文化庁文化財部古墳壁画室の建石徹・古墳壁画対策調査官から「東日本大震災における文化財被害と文化財レスキュー事業の概要」についての報告がありました。また,地域の研究者,学生,市民等,両会場合わせて約100名が熱心に聴講し,郷土の歴史的文化財への関心の深まりがうかがえました。

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