11月4日,公開講座「野鳥観察で里山の季節を知る-能登の山でバードウォッチングを体験しよう-」を実施し,10代から70代までの11名が参加しました。
初めに,金沢大学能登学舎を拠点に活動する講師の先端科学・社会共創推進機構の岸岡智也特任助教が能登の自然環境についての講義を行い,珠洲市の里山は多様な環境がモザイク状に入り組んでいるため,多くの生物が生息し,中でも鳥類は150種ほど観察されることに言及しました。
その後,一行は若山ダム周辺で野鳥観察を開始しました。講師が野鳥の鳴き声を頼りに種別や生態について解説すると,受講生らは耳を澄ませて聞き入りました。周辺の植物や地形に注目しながら,ホオジロ,ヤマガラなどの野鳥を確認することができました。
続いて一行は珠洲市正院町へ移動し,越冬のため飛来したコハクチョウを観察しました。なぜこの地に渡り鳥が寄留するのか,その理由を珠洲の地理や環境に焦点を当てて考察しました。
受講生からは「野鳥を探す過程で,木々の色付く様子や山の植生などに触れられて自然を楽しむ機会になった」「意識すればどこでも野鳥観察を始められそうだと思った」といった感想があり,野鳥観察を通じて周囲の自然環境に目を向け,自然との共生について考える機会になりました。
講師:先端科学・社会共創推進機構 特任助教 岸岡 智也