9月7日,金沢大学資料館は,令和6年度文化庁InnovateMUSEUM事業の一環として,石川県立図書館だんだん広場にて「被災文化財救援フォーラム金沢2024」(共催:石川県立図書館,金沢大学能登里山里海未来創造センター)を開催し,会場86名,オンライン109名,計195名が参加しました。
フォーラムでは、被災文化財救援に関する専門家3名をお招きし,それぞれの知見に基づいた講演がありました。
七尾市教育委員会スポーツ・文化課文化財復旧保全対策室の北林雅康氏からは,震災直後の七尾市内での文化財の被災調査の状況,所有者との調整や復旧・返却までの難しさや文化庁が策定する「文化財保存活用地域計画」の重要性について話がありました。国立文化財機構文化財防災センターの小谷竜介氏からは,国立文化財機構における多様な文化財防災ネットワーク体制を生かした能登半島地震における文化財レスキューの取り組み状況,また,国,県,市町村などの行政機関,関連機関および地域住民が一体となることの重要性について,また,熊本大学文学部歴史学科の杉井健氏からは,熊本地震での被災古墳の復旧状況や課題,平時における遺構の三次元データの蓄積の有用性について,事例とともに紹介がありました。講演終了後,全体質疑が行われました。
参加者からは,「具体的な取り組みや課題を知ることができてよかった」「市町村の担当者の方の熱意が伝わってきた」「文化財を守るために,多くの人に知ってもらうことは不可欠だと思った」など感想が聞かれ,被災文化財救援に向け,理解を深める貴重な機会となりました。