12月15日,金沢駅前サテライトにて公開講座「北陸の地盤と地震災害」を実施し,20代から70代までの27名が参加しました。
登壇した理工研究域地球社会基盤学系の阪田義隆准教授は,地割れ・隆起・液状化・土砂崩れ・地すべりなど,地盤に係わる地震災害を紹介し,北陸は日本の特徴的な自然環境にあること,地域によって特有の地盤条件を有しており,災害につながる地質も多いことを説明しました。次に,同じく理工研究域地球社会基盤学系の小林俊一准教授が石川県周辺の活断層と砂丘を紹介した後,過去に起きた地震を振り返り,令和6年能登半島地震に伴う複合災害の諸相を写真で確認しました。続いて富山県立大学の古谷元教授は,安政5年に発生した飛越地震に伴う常願寺川の土石流災害をはじめ,地すべりが多発する富山の地形・地質について解説しました。最後に長岡技術科学大学の大塚悟教授が,地盤沈下や水害の危険度が高い新潟県の地質の工学的性質を解説しました。
トークディスカッションでは,阪田准教授を座長に,令和6年能登半島地震に対して感じたこと,復旧・復興の現状に関する感想,行政・住民向けの地震対策の提言,そして地盤工学における研究目標について話し合いました。
受講生からは,「『悲観的に準備し,楽観的に対応』という言葉を大切にし,できる範囲で『いざ』への備えが必要と思った」などの感想がありました。
講師 理工研究域地球社会基盤学系 阪田 義隆 准教授
理工研究域地球社会基盤学系 小林 俊一 准教授
富山県立大学工学部 古谷 元 教授
長岡技術科学大学工学部 大塚 悟 教授