9月2日から6日の5日間にわたり,金沢大学「共創インターンシップ(企業体験型プログラム)」を小松商工会議所のコーディネートにより小松市内の2つの企業で実施し,本学と石川県立大学の学生計6名が参加しました。
本共創インターンシップは,文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生事業(COC+)」の一環として平成29年度から開始し,石川県内で夢と志を持って活躍する人々と行動しながら,地域の魅力や課題を発見し,多様な生き方を実感することを目的とするもので,今年度は8月から9月にかけて本プログラムを含む7つのプログラムを実施しています。中でも企業体験型プログラムは,地域に根差した企業の課題解決・事業創造に取り組みながら,企業理念や地域との関わりに触れることを目的にしています。
今回の受入先は,建設機械の足回り部品の製造をメインに国内外の市場をターゲットに事業展開する株式会社板尾鉄工所と,1860(万延元)年の創業以来,原料や製造方法の見直しによっておいしい酒作りを追求し続ける東酒造株式会社で,どちらも製品の品質にこだわる熱い情熱を持った企業です。
インターンシッププログラムで設定された課題はそれぞれ,板尾鉄工所では「モノづくりの魅力を学生にどのように伝えるか」,東酒造では「人が集まる酒蔵活用プランニング」。学生らは業務に携わりながら,社員の方々にヒアリングを行うことで,会社の魅力やこだわりを探り課題解決に取り組みました。
板尾鉄工所では,漠然とした動機で入社した社員であっても「製品をより良いものに変えていくとともに,技術を継承していきたい」という強い思いで仕事する姿勢に触れ,参加学生らは,社員の気持ちをも変える人の力を重視した人材育成に関心を抱いていました。東酒造では,全社員が酒作りからラベルデザイン,ラベル貼り,配達までの全行程に携わり,製品に愛情を注いでいることに加え,社員同士の親密なつながりがあるからこそ,おいしい酒作りにつながっていることを実感しました。
最終日には,2社合同で最終報告会を実施。参加学生や2社の社員がお互いのプレゼンテーションに対して,「理系の世界と思われている鉄工業での文系出身者の業務を具体的に示した方が良い」「20代の酒への関心は数値で示した方が分かりやすい」など,意見交換を行いました。
本プログラムを通して,学生らはそれぞれの会社が守ってきたモノづくりの品質へのこだわりや誇りと共に,製品や現場で働く人に直に触れる大切さを実感しました。
今後,学生たちはプランの実装に向け,ブラッシュアップしそれぞれの企業に提案する予定です。