9月9日から13日の5日間にわたり,金沢大学「共創インターンシップ 企業体験型プログラム(能登エリア)」を株式会社ゆめうらら(志賀町),有限会社日の出大敷(能登町),数馬酒造株式会社(能登町)の3社で実施し,本学と石川県立大学の学生計10名が参加しました。
本共創インターンシップは,文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生事業(COC+)」の一環として平成29年度から開始し,石川県内で夢と志を持って活躍する人々と行動しながら,地域の魅力や課題を発見し,多様な生き方を実感することを目的とするもので,今年度は8月から9月にかけて本プログラムを含む7つのプログラムを実施しています。
若手経営者が,「能登の持続可能性」をコンセプトに,農業・漁業・酒造業それぞれの立場から地域活性化のためのさまざまな活動に取り組んでいる今回の受入先3社でのインターンシップ課題はそれぞれ,ゆめうららでは「若者にとって魅力のある農業を創る」,日の出大敷では,「若者にとって魅力のある漁業を創る」,数馬酒造では「ブランディングのための広報戦略」。学生らは3チームに分かれ,5日間寝食を共にしながら,それぞれの課題解決に取り組みました。
ゆめうららでは,裏貴大代表取締役が導入しているドローンによる種まきなどのスマート農業や,志賀町役場職員や農業協同組合職員から聞いた就農支援策などを基に,担い手の高齢化や後継者不足をはじめとした農業法人が抱える課題を学生が解決するインターンシッププログラム案を検討。日の出大敷では,能登町の伝統漁「大敷網」に使用する定置網の補修・修繕作業の体験や,中田洋助取締役から聞いた漁師の働き方や漁業の課題を踏まえ,ホームページやSNSを通じて日の出大敷の魅力を若者に発信する方策について検討しました。また,数馬酒造では,地域資源を最大限活用した原料調達による酒造りへのこだわりなど企業経営に当たって大切にしている指針を知るとともに,酒蔵見学を通じて業務内容への理解を深めた上で,主力商品である「竹葉」の広報戦略を考える課題に取り組み,金沢市在住の女子大学生をターゲットに「竹葉=食事が楽しい日本酒」となるようなイメージ戦略を検討しました。
3日目には,中間発表会を3チーム合同で開催。提案内容の絞り込みやオリジナルの魅力の引き出し方などについて意見交換が行われました。中間発表で得た助言を踏まえ,残り2日間でプランを再考案し,5日目の最終発表で各社の課題解決プランを提案しました。
本インターンシップの5日間,能登地域を盛り上げたいという若手経営者らの強い信念に触れ,参加学生らは「誰かの役に立てる生き方をしたいと考えるようになった」「持続可能な能登を作りたいという夢に自分も加わりたい」と語りました。