10月17日,サテライト・プラザにて公開講座「渤海国の歴史 -その概要と歴史的な位置づけ-」を開講しました。
人間社会研究域歴史言語文化学系の古畑徹教授は,7世紀末から10世紀初に中国東北地方東部・北朝鮮北部・ロシア沿岸地方にまたがって存在した渤海国の歴史を,その建国から繁栄,その後の衰退と滅亡まで辿り,その歴史が中国王朝や朝鮮の新羅,さらには突厥(とっけつ)・契丹(きったん)などの遊牧民の興亡と深く関わったものであることを解説しました。また,渤海国が中国・朝鮮のいずれの歴史上の存在なのかを巡る渤海帰属論争を取り上げ,文化的に見れば渤海国は東アジア文化圏の一員であり,また遊牧民と相互に影響を与えあっていた点からは,渤海国は中央ユーラシア型国家を準備する役割を担った存在でもあるという,より重層的・多面的な渤海国の位置づけを提唱しました。
講義終了後は、何人もの受講者が講師のもとへ質問に向かい,講義の内容についてさらに理解を深めていました。
講師:人間社会研究域歴史言語文化学系 教授 古畑 徹
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