X線突発天体監視速報衛星「こよう」(金沢大学衛星1号機)は,2023年12月6日までに,搭載した通信系の全てでデータの送受信ができることを確認しました。併せて,地上で受信されたデータの解析により,事前の計画通り衛星が自律的に太陽電池パドルを展開し,太陽電池の向きを太陽方向に維持していることが確認されました。
本衛星は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機の実証テーマのひとつとして選定され,日本時間2023年12月2日未明にSpaceX社のFalcon 9に搭載されて,打ち上げられました。現在,科学観測フェーズの運用に向けて,バス機器の調整を進めています。
この成果は,衛星打ち上げ後に教員の指導のもとで,自然科学研究科及び理工学域の学生が運用実践して得られたものです。
理工研究域先端宇宙理工学研究センターは,「こよう」衛星プロジェクトにおける運用実績を経て,人工衛星の設計・開発から試験・運用にいたる教育を実践する体制を整備してきました。本学は今後も,実践に基づいた宇宙理工学人材の育成に努めてまいります。
「こよう」衛星の運用状況については,随時大学公式Webサイトを通じてお知らせします。
「こよう」は,JAXAの革新的衛星技術実証3号機の実証テーマのひとつ「理工学が融合した超小型衛星システムの開発と重力波天体のX線観測」として選定され,金沢大学の学生が中心となって開発された超小型衛星です。今回の打ち上げにより,理工学一体での人工衛星運用による航空宇宙人材育成と,マルチメッセンジャー天文学分野における最先端の科学成果創出に寄与していきます。
参考(外部サイト):革新的衛星技術実証3号機 X線突発天体監視速報衛星「こよう」の打上げ結果について(JAXAプレスリリース)
こよう放出の映像(映像提供:Space X社)