金沢大学医薬保健研究域医学系の溝上晴恵医員,吉崎智一教授,千葉大学医学部/健康疾患オミクスセンターの金田篤志教授,南洋理工大学(Nanyang Technological University,シンガポール)の Melissa Jane Fullwood 准教授らの共同研究グループは,上咽頭がんにおけるエプスタイン・バー・ウイルス(Epstein-Barr Virus:EBV)と宿主クロマチンの相互作用のメカニズムを明らかにしました。
これらの知見は,ウイルス媒介による腫瘍形成のメカニズムについて,重要な洞察を提供し,将来,上咽頭がんにおける新たな治療法の確立に役立つことが期待されます。
本研究成果は,2024 年 3 月 14 日に学術誌『eBioMedicine』にオンライン版として掲載されました。
図:エプスタイン・バー・ウイルス(Epstein-Barr Virus:EBV)と宿主クロマチン
EBV は宿主クロマチン構造の B コンパートメント内の特定の位置で相互作用し、遺伝子エンハンサーをハイジャックします。 エンハンサーの活性化により、PLA2G4A、PTGS2、および CITED2 の発現が活性化され、制御不能な細胞増殖が引き起こされます。
ジャーナル名:eBioMedicine
研究者情報:吉崎 智一