ダブリンシティ大学
2022年度 ヨーロッパ〈アイルランド〉
M.N.(人間社会学域法学類 5年)
留学先、留学時期について
私は、2022年9月から2023年5月までアイルランドのDublin City University (DCU)に留学していました。元々オーストラリアに留学する予定でしたが、コロナの影響で1セメスターの期間(約3、4か月)しか留学することができなくなってしまいました。どうしても2セメスター分(約9か月)留学したかったので、4年生の夏から留学することに決めました。アイルランドにした理由は、高校生の時に一度興味を持っていたためです。もう一度、留学先を選ぶ際に英語圏であり、日本人が少ないという点に惹かれていたことを思い出し、運命を感じて選びました。
留学前の準備として、何をすべきか
皆さん共通しているとは思いますが、現地で使われている言語に関する勉強を行うことです。私は、1年生からIELTSの勉強をしていましたが、DCUで必要なスコアを取得したのは協定校への書類提出の直前(4年生の春)でした。金銭的にもかなり負担が大きく、今思い返してみると期間を決めて短期集中で行えば良かったと思っています。また、私は必要なスコアを取った後、あまり英語の勉強をしていなかったのですが、必要なスコアは現地で生活するための必要最低限の語学力なので、そこから英語力をできる限り高めておくことが重要だったと感じました。
留学先について知っておくとよい情報
言語について
アイルランドは英語のほかにゲール語が公用語となっていますが、ゲール語を話す人はほとんどいません。しかし、道の表記などにはゲール語が併記されています。アイルランド英語はとても独特な訛りなので、最初の方はかなり聞き取りに苦労すると思います。
生活について
ヨーロッパの中でもかなり安全と言えると思います。私は、スリやthiq人種差別などを受けることはありませんでした。一方で、スリに遭った人がいたり、移民反対のデモなども行われていたので貴重品や身を守るための行動は必要だと思います。
文化について
また、アイルランドは音楽とお酒の文化と言われているように、皆お酒を飲むことが大好きです。大学内にもパブがありますし、寮の中でも頻繁にパーティーが行われているフラットもありました。私はお酒がほとんど飲めないのですが、お酒が好きな人はとても楽しめると思います。
留学中に取り組んでよかったこと、その理由
留学中は、勉強を中心に様々なソサエティと呼ばれるサークルに参加していました。本当に色んな種類のソサエティがあり、入会費もかなり安いので気になったものがあれば幾つでも入ってみれば良いと思います。
また、私は人権系の授業に興味があったので、留学生用以外の授業も取っていました。やはり内容は難しかったですが、少人数のクラスでかなり良かったです。9か月という長いようで短い時間なので、気になったことはどんどん挑戦してみてください。
留学中の苦労、それをどのように乗り越えたか
私は、現地の生活に適応するのに苦戦しました。言葉も異なり、友達もいない環境でかなり精神的に追い込まれました。特に最初の1か月目は食欲も湧かず、泣く日々が続きました。徐々に「留学をしているのに泣いているだけではもったいないな」と思うようになり、楽しいことを考えるようにしました。また、一気に色んなことをしようとするのではなく、小さなことから始めていくということを意識しました。結果的に、とても楽しい留学生活を送ることができました。
今まで過ごしてきた環境から抜け出して生活していくことは、自分が思ったよりもストレスがかかることです。もちろんそれを楽しめる人もいますが、そうじゃない人もそれを悲観的に捉えるのではなく、自分がやりたいと感じることから少しずつ頑張ってみてください。
留学経験をこれからどのように生かしていこうと考えているか
自分が留学してみて、日本に来ている留学生の手助けをできるだけしたいとより感じるようになりました。今現在は先魁という留学生と一緒に住む形の寮に住んでいます。卒業まであと少しですが、自分にできることを精一杯行っていければと思います。
卒業後の進路について
4年生の夏から5年生の春まで留学しており、5年で卒業したかったので現地で就職活動を行いました。イギリスで行われるロンドンキャリアフォーラムへの参加も考えましたが、希望する会社がなかったため、皆さんが想像するような就職活動を留学先で行いました。私は食品系の企業に就職することになりました。「食」が人に及ぼす影響を留学中に実感したためです。苦労した点は、時差と現地での勉強との両立でした。もし、時間やお金が許すのであれば帰国してから就職活動をするのが最適だと感じましたが、両立することも不可能ではないです。
留学してよかったこと、成長したこと、その理由
留学して良かったことは語学力の向上もありますが、一番は自分自身のアイデンティティを見つめ直すきっかけになったことです。日本にいる時には見えていなかった自分の性格や得意・不得意などを発見することができました。自分自身でも「自分にこんな一面があったのだ」と思うようなこともありました。このような経験は、自分自身が「外国人」として他国に行ったからこそ得られた経験でもあり、成長だと感じています。
結びは、派遣留学を志す後輩へのメッセージ
伝えたいメッセージは主に2つあります。1つ目は、英語が苦手でも留学を諦めないでほしいということです。私自身、英語が得意な方ではなかったのですが、必要なスコアをなんとか取ることができました。何よりも「行きたい!」という気持ちが大切だと思います。2つ目に、少しでも留学に興味のある人はぜひ行ってみてほしいと思います。語学力の向上ももちろんですが、視野も広がります。特にヨーロッパ圏は旅行するのが簡単なので、アイルランドだけではなく他の国の文化なども経験することができました。留学中に限らず留学前にも準備等大変なことがあると思いますが、大学生だからこそ感じられることが多々あると実感しています。是非諦めず頑張ってください。