セントラル・ランカシャー大学
2022年度 ヨーロッパ〈イギリス〉
Y.K.(人間社会学域国際学類 4年)
2022年9月から2023年6月までの10か月間、イギリス、イングランド北部のセントラル・ランカシャー大学(UCLan)に留学していました。この報告書を通して、私の留学先での経験がこれから留学を志す皆さんの参考になれば幸いです。
留学前の準備
VISA
UCLanへの留学が決まり、準備を進めていくなかで最も苦労したことはビザの取得です。私はTire 4のビザが必要だったのですが、このビザの取得が大変でした。ビザの取得のためには、どのような書類が必要か、パスポートの期限は十分にあるのか、書類を用意するには事前に何をしなければならないのかなどを確認し、早めの準備をしておくと安心できます。特にパスポートの期限については、国によって3か月ルールや6か月ルール(滞在日数+3カ月もしくは6か月以上の残存期間が必要)を設けている国もありますので、留学前や旅行前には注意してください。
IELTS
もう一大事なことがIELTSのスコアの取得です。これはビザにもかかわってきますが、UCLanの場合は留学中のコース選択にも大きくかかわってきます。金沢大学からの留学生はInternational Business Communication(IBC)コースか語学学校コースを選択できます。IBCに入るためにはIELTS overall 6.0、 全セクションで5.5以上のスコアが必要です。なのでIBCを志望する方は規定のスコアを留学の申し込みの前には取っておく必要があります。私は大学1年生の冬からIELTSに向けて準備し始めました。IELTSは受験料が高く、受験場所も限られるので、しっかり対策してから受験することをお勧めします。金沢大学にはIELTS準備のための授業がELPセンターによって開かれているので、それを活用するのも良いと思います。
留学中の生活
授業
私は2つあるコースの中からIBCを選択しました。申し込んだ時は広告業界に興味があったため、広告について学べるIBCを選びました。コース終了後に学位が取得できることも大きな決め手の一つでした。このコースは留学生のみのコースで、フランス・スペイン・ドイツ・中国・日本からの留学生で構成されていました。私は事前にビジネスについて学んだことはなかったですが、先生方はそれを理解してくれていたように思います。そのため授業は基礎的な知識の導入から始まり、学期が進むにつれて徐々に専門的で難解なものになって行きました。イギリスでは授業は講義形式のレクチャーと議論中心のセミナーが基本的にセットになっています。授業の中では日本の文化や企業文化について聞かれることが非常に多かったです。自国の事なのに答えることが出来ず悔しい思いをしたこともありました。授業の中で発言することは勇気のいることかもしれませんが、発言することは当たり前のこととして授業は進みます。何か話せば誰かが助けてくれる環境ですので、最初はその環境に思いっきり甘えてみるのも良いかもしれません。授業の回数を重ねるうちに、自信がついてくると思います。
課題
課題の量は多くはありませんが、高い質を求められていた印象です。課題が重なったり、提出期限が迫ったりすると、図書館に籠りきりの生活でした。また授業をできるだけ理解し、主体的に参加するためにも予習と復習に多くの時間を割くように意識しました。おかげで英語を読んだり書いたりする量は日本に居るときと比べて圧倒的に増えたので、英語に取り組む体力のようなものがついたように思います。また友人の存在も大きかったです。私はレポートの提出前には必ず現地の友人に英語の添削をお願いしていました。大学のアカデミックセンターも課題の相談に乗ってくれるようでしたが、気軽にコミュニケーションが取れる友人に私はいつもお願いしていました。深夜の相談や急な相談にも乗ってくれた友人には本当に感謝しています。
休日
留学が始まった直後は誘われたすべての集まりやパーティーに参加するようにしていました。おかげで授業を受けているだけでは知り合うことのなかったたくさんの友人と出会えました。彼らとは一緒に寮の共有スペースに集まったり、週末にはクラブやパブに行ったり、国内外の旅行にも行き、多くの時間を共にしました。勉強のことはもちろん、人間関係など私生活の面でも相談に乗ってくれて、精神的に支えてもらいました。留学で得た一番の宝物だと感じています。カジュアルに英語を話したり、多様な国の文化について知れたりする機会が持てたのもいい経験でした。友人関係は皆さんの経験をより豊かなものにしてくれると思いますので、ソサエティやイベントの参加などを通して交流の機会をたくさん持ってみてください。
留学後
留学後はインフラ業界を中心に就活を進めています。留学期間中に多様なモビリティに自分の挑戦を支えてもらい、経験を豊かなものにしてもらったと感じたことがきっかけでした。留学先での活動や成績は自分の大きなアピールポイントになっています。
これから留学する皆さんへ
慣れない環境の中で、新しいことに挑戦することは多くの困難が伴います。しかしながらそのような経験の一つ一つが自分自身の成長に繋がりますし、自分自身を見つめなおすきっかけになります。また留学先では新しい出会いがたくさんあります。そのような出会いを大切にし、困ったら誰かに頼ることも忘れないで欲しいと思います。留学は本当にあっという間に終わってしまいます。皆さん自身で留学を充実したものにして欲しいと思います。