シーナカリンウィロート大学
2022年度 アジア〈タイ〉
H.N.(人間社会学域国際学類 4年)
私は2022年8月から2023年5月までの10か月間、タイの首都バンコクに位置するシーナカリンウィロート大学(SWU)に留学しました。私が在籍していたのは、International Collegeの Language and Intercultural Communication(LIC)という、英語や異文化間でのコミュニケーションについて学ぶ学科です。
タイへの留学が決まるまで
私は元々第二外国語でロシア語を学んでおり、ロシアの協定校からの受け入れが決まっていました。しかし2月末にロシア・ウクライナ戦争がはじまり、今回の派遣留学でロシアへ行くことはできなくなりました。ほとんどの協定校の申込締切日が過ぎていたり、ロシア語で留学できる協定校が他になかったり、英語圏に留学するには語学のスコアが足りなかったりと非常に狭まった選択肢の中からやっと見つけたのがSWUでした。留学自体もするかどうか非常に悩みましたが、大学入学前からどうしても長期留学したいと思っていたことや、タイは私の興味分野であるLGBTQ+関連の話題が多いと思ったことなどもあり、SWUへの留学を決めました。
たとえどの国、どの大学に留学する予定だとしても、いつどんなイレギュラーが起こるかは本当に分かりません!不測の事態が発生した際に選択肢を狭めないためにも、英語のスコアは伸ばしておいて損はないと思います。
留学前の準備
SWUは学期の開始時期が他の二次募集の協定校と比較して早く、私は7月末に日本を出国しました。留学することが決まったら、ビザ申請に関する情報収集や必要な書類の準備を早めに始めるに越したことはありません。住居に関しては、SWUには学生寮が無いため大学のホームページに記載されているアパートを出国前に契約しました。メールでやり取りしていたSWUの留学生担当の方は、こちらからの質問に何度も丁寧に対応してくださりました。不安なことや確認したいことはどんどん訊いて、積極的に情報収集を行うと良いと思います。
また、私は出国前にタイ語の勉強をする時間がほぼ無く、留学しながら勉強しようと自分に合いそうな参考書を何冊か持って行きました。日本語で書かれた参考書を現地で入手するのは困難ですし、LICでのタイ語の授業はコミュニケーションに特化しており、文法を理解するという点では正直あまり当てにできなかったので、留学中にタイ語の勉強をしたいという方は参考にしてみてください。
学校生活
LICには私の他に日本からの留学生が2人おり、他は主に現地のタイ人の学生で教授もタイ人が多かったです。LICは授業が英語で開講されている学科ですが、教授は時折タイ語で授業を進めますし、初期のころはお互い相手のタイ語/日本語訛りの英語が聞き取れず、コミュニケーションに困難さを感じました。しかし教授も友人達もみんな親切で、質問すると丁寧に対応してくれました。授業ではグループワークやディスカッションが多く、課題もプレゼンテーションやVlogの作成をグループで行うものが多かったです。
一応、International Collegeには留学生の学習上の手助けをするという目的でバディが付く制度がありましたが、私は担当の学生と授業のSectionが違ったためほぼ交流しませんでした。しかし同じSectionの友人達が学習面でも生活面でもたくさん助けてくれました。
学校以外での生活
SWUの周りにはショッピングモールや大きなナイトマーケットが複数あり、平日の学校帰りには友達とそこへ行って遊んだり夜ご飯を食べたりすることが多かったです。タイは外食文化で様々な屋台が路上に並んでいるので、日替わりで違う店の同じ食べ物を試してお気に入りの店を見つけるのがマイブームでした!
長めの休みには、電車で他県まで行ってみたり、象使い体験をしたり、ロイクラトンやソンクランなどの伝統的な祭りに参加したりもしました。
最後に
留学中は、他の留学生と比較した自身の目的意識の曖昧さに苦しみ、自分の決断に対する迷いや後悔を感じる事もありました。ですが今はタイに留学すると決めた自分を肯定できます。それは留学中に出会った人々との交流が私の視野を広げてくれて、新しい興味分野を見つけることができたからです。
これを読んでいる人の中には、留学するかどうか思い悩んでいる方もいるでしょう。どういう決断をするとしても、それまで悩んだことのすべてがきっと皆さんの未来にとって価値のあるものになると思います。応援しています!生活費や履修システムなどについても派遣留学レポートで詳しく書いているので、タイやSWU、特にLICに興味がある方はぜひ読んでみてください。