国立台湾大学
2022年度 アジア〈台湾〉
R.S.(人間社会学域人文学類 4年)
私は2022年9月から2022年12月までの約4ヶ月間、台湾の国立台湾大学に留学していました。なぜ留学先に台湾を選んだのか、台湾での生活はどのようであったかなど、自身の経験を記すことにより留学を考えている皆さんの手助けになれば幸いです。
台湾及び国立台湾大学を選んだ理由
私は人文学類で中国語学中国文学コースに所属しており、入学当初から漠然と中国語圏に留学してみたいなと思っていました。私の理想としては2年生の夏に短期留学をし、3年生の後期から長期留学に行こうと思っていたのですが、新型コロナウイルスの影響により留学プログラム自体がなくなってしまい、留学へ行きたいという思いは持ちつつもずっと行けていない状態でした。そのまま3年生になり、翌年の長期留学へ応募するの時期がやってきて、このまま留学をせずに卒業したら一生後悔すると思い、思い切って留学へ応募しました。その時はまだ中国も台湾も留学生に対してビザを出しておらず、オンライン留学になる可能性が高かったのですが、新型コロナウイルスへの対応の様子などを見て台湾の方が早い時期にビザを出してくれそうだということで台湾への留学を決めました。結果として留学直前に台湾からの留学生ビザの発行が再開され、実際に現地へ行って学ぶことが出来たのでこの時の決断にとても満足しています。
国立台湾大学を選んだ理由については、主に2つあります。まず1つ目は、学習環境が整っていることです。国立台湾大学は台湾最高学府なだけあり、24時間空いている自習室や、豊富な資料など学ぶのに最適な環境が揃っています。特に自習室はいつ行っても学生が勉強していたので、勉強を頑張る学生を見て、自身のモチベーションを保つことが出来ました。2つ目は留学生用の授業が多く開講されていることです。国立台湾大学には様々の国から留学生が来るため、中国語の授業以外に英語での授業も多くありました。自分の専門に合わせて、中国語で授業を取ったり英語で取ったり出来るのは国立台湾大学の強みであると感じました。
留学前
留学前の準備はなるべく早く始めた方がいいです。私が現地へ行けることが決まったのが留学の2ヶ月前だったので、それまでほぼ留学準備をしていませんでした。その結果、実際に行けることが決まってからは本当に慌ただしく、ビザの申請や寮の契約、健康診断など毎日何かしらの手続きをしていました。こうならないためにも皆さんには早め早めの準備をお勧めします。大学に関する手続きはすべてメールで来るので、それさえ見逃さなければスムーズに進みます。留学生1人につき1人、スチューデントボランティアの学生がつくので、分からないことがあればその方に聞くと丁寧に教えてくれます。携帯に関しては、VPNは必要ないですが、SIMロックは解除しておかなければならないです。また余裕があれば繁体字の練習もしておくと留学中に繁体字を覚えることに時間を割かなくてよくなるのでいいと思います。
留学中の授業
私が取った授業は全て中国語だったので、授業の前にプレイスメントテストを受けました。このテストは会話のみで、私としてはあまり話せた感じはしなかったのですが、留学応募時にHSK5級を提出していたおかげで中級二のクラスに入ることが出来ました。留学応募時にHSKなどのスコア提出は必須ではありませんが、自分の実力を示す1つの指標となるのでなるべく提出することをお勧めします。授業が始まってから最初の2週間は履修補正期間なので自由に履修を組み替えることが出来ます。初回の授業を受けてみたけれどレベルが合わない、思っていた内容と違ったとしてもこの期間内であれば変更できるので、最初はなるべく多くの授業を受けてみるといいと思います。
国立台湾大学の授業の特徴として、ディスカッションが多いことが挙げられます。授業では毎回ディスカッションの時間があり、ペアで話し合った後、全体へ向けて発表するという流れでした。最初は戸惑いが大きく、意見を聞くだけで自分から発信できないことも多かったですが、後半には慣れてきてしっかりと意見交換出来るようになりました。もちろんペアでの話し合いから全て中国語で行われるので、このディスカッションのおかげで中国語力がだいぶ上がったと感じています。また国立台湾大学の先生方はとても優しく、授業で分からない部分があれば授業後に質問に行っても笑顔で教えてくれます。また時々授業終わりに学生みんなをカフェに連れて行ってくださったり、クリスマスにはピザやチキンを差し入れしてくださったりします。その時の先生との会話から得られることもあり、とても貴重な経験をさせていただいたと思っています。
留学中の生活
寮は1人部屋と2人部屋があり、抽選の結果私は1人部屋に住むことが出来ました。寮には自動販売機やウォーターサーバー、コインランドリーなど生活に必要な物は全て揃っています。フロントの皆さんも親切なので、生活で困ったことがあればなんでも相談してみるといいと思います。
留学中私は比較的時間に余裕があったので、授業終わりにはクラスメートとカフェに行って言語交換したり、休みの日には旅行に行ったり、サークル活動に参加したりしていました。私は本来インドア派の人間なのですが、この留学中だけはアクティブに行動しようと思い、友達からの誘いは基本断らずできる限り行くようにしていました。実は私は英語があまり話せないので、ドイツ人とイギリス人の友達から旅行に誘われたときは少し行くかどうか迷いました。しかし実際に行ってみるととても楽しく、彼らと中国語で冗談を言い合ったり、道に迷いながら必死で目的地にたどり着いたりしたことを今でも鮮明に覚えています。留学で一番楽しかった思い出を聞かれれば、すぐに彼らとの旅行が思い浮かぶほどいい思い出となっています。なので皆さんも留学中はなるべくアクティブに行動してみてください。
また台湾には日本に興味を持っている学生や留学生が多くいました。私は台日交流サークルに所属していたので、そこで出来た友達とよく遊びに行って言語交換をしていました。また一緒に旅行へ行った彼らも日本への留学を考えており、よく彼らと一緒にカフェに行き、一緒に中国語を勉強するのはもちろん、たまに英語と日本語で言語交換をしていました。2カ国語留学が出来るのも台湾の魅力の1つだと思います。
おわりに
私の留学は4ヶ月しかなかったのですが、短いからこそ、より多くのものを見て、感じ、学ぼうとアクティブに動くことが出来ました。しかしやはりやり残したことはあります。留学期間は想像以上にあっという間です。皆さんには思い立ったらすぐ行動してほしいと思います。行動する前にはもちろん言葉が通じるか、変に思われないかという不安があると思いますが、案外大丈夫です。なんとかなります。台湾には人、自然、食べ物など多くの魅力があります。皆さんが少しでも多くの魅力に触れ、悔いの無い留学を出来るよう心より願っています。