マレーシア マラヤ大学

掲載日:2024-10-8

マラヤ大学

2023年度 アジア〈マレーシア〉

N. K.(人間社会学域 法学類 4年)

私は202310月から20242月の約5か月間、マラヤ大学で留学をしました。高校生のころから大学生での海外留学は目標であったものの、入学当初からコロナ禍を経験したことで大学生のうちに留学するのは難しいと考えていました。しかし同じサークルの先輩が4年次の就活後に派遣留学をすると聞いたこと、高校時代の友人そして先輩が留学に挑戦していると知ったことから、やっぱり留学に挑戦してみたい、私にもチャンスはまだあるのではと考え、留学推進係の方にも相談しながら就活後に半年間留学することを決めました。アジアでの留学は比較的費用が安いことと、就活終了後に行くにあたり、セミスター開始の時期が私にとって一番良いタイミングだと思ったのでマラヤ大学を留学先の第一候補にしました。

留学期間に頑張って取り組んだ2つのことについて話します。

1つ目は授業でのプレゼンです。私はマラヤ大学で「Economic development in Southeast Asian countries」「Gender, societyculture」の2つの授業を履修しました。前者の開発経済の授業に関しては、自分の専門分野ではないため前提知識や日本の経済についての知識が乏しかったことと、教授の、少しクセのある英語の話す速さについていくことがはじめは大変でした。しかし、予習復習は毎回怠らずに取り組み、わからないことはまず自分で調べるようにしていました。特に復習では、講義後必ず録音した授業をもう一度聞き、聞き逃した箇所をなくすようにしていました。その取り組みもあって、後半からは教授の話すスピードにも慣れていき、より授業の内容も理解できるようになりました。内容も農業や金融政策など多角的視点から東南アジアの経済を学べたので、自分が社会人になってからも役に立つ知識を身につけることができたと思っています。また授業とは別に、教授があらかじめ用意した問題についてペアごとにプレゼンをするチュートリアルがありました。私たちの担当したテーマは健康への投資がなぜ経済成長にとって必要なのかというものでした。プレゼン発表前の1週間はずっと家にこもって調査を行い、当日使うパワポにも見やすさと内容のわかりやすさを重視しながら作成していました。その結果、健康投資のメリットの一つを図にしたものが興味深いというフィードバックを教授からもらえました。時間をかけて取り組んでよかったと思います。後者のジェンダーに関する授業は、トランスジェンダーの方を呼んで話を聞く回や、各国ごとにそれぞれの文化をパフォーマンスする会もあったので楽しみながら参加できました。

どちらの授業も、学生のどんな意見でも受け止める優しい先生でした。休講などの連絡はWhatsAppを通して行っていましたが、日本の大学の教授よりも距離が近く、チャットを通して教授の性格も垣間見えて個人的に面白いなと感じました。ちなみにこの2つの授業に限らず、クリスマスや年始などは多くの先生が休講またはオンラインに急遽変更することや、突然連絡があったその日の夜から授業をすることも多々ありました()

2つ目は日本語クラスのボランティアです。縁あって大学院生としてマラヤ大学に来た日本人の方からの誘いを受けて、日本語学部の補講の授業に参加することになりました。テーマを設定し日本語を用いた会話やゲームを行ったり、時には教材を使って助詞などの細かい文法を説明したりしました。普段自分が使っている言語の構造やちょっとした意味の違いを分かりやすく伝えるのは非常に難しかったです。補講に参加している学生さんはレベルの違いは多少ありますが、自分が思っていた以上に流暢に日本語を話す子が多かったです。中には将来日本の会社で働くことを考えている子もいました。そのため、2回ほど自分の就活での経験を生かしてガクチカと志望動機の添削を行いました。また、現地の学生さんとの日本語での会話を通して、マレーシアの抱える問題(民族同士の対立、労働者の賃金について、教育制度)だけでなく、彼らの持つ日本のイメージや問題についても知識を深めることができましたし、日本という国を俯瞰することができました。

留学生や現地の学生との多くの交流を通して、このような貴重な経験をすることができましたが自分の中では、留学前の英語学習にもっと多くの時間を費やすべきだったと反省しています。派遣先での大学の授業が始まると、想像していた以上に英語学習の時間を確保することが難しかったです。他の留学経験者の方も同じ考えかもしれませんが、留学前から少しでも英語に触れる機会を自分から作ることをお勧めします。語学はやはり日々の積み重ねが大切なので、新しい単語を何個か覚えるとか洋画を英語音声・日本語字幕にしてフレーズや英語の会話や音になれるなど、日本にいても語学力を伸ばすためにできることはたくさんあるので、進んで取り組んだほうが自分の伝えたい思いや意見をより正確に相手に伝えることができると思います。

留学後の就職先はすでに決まっており、卒業後は社会人として働くことになっています。国際物流関連の会社であり、国内にいても海外と関わる機会は多くあると思っています。入社後45年には海外研修に1年行くことになっているので、海外と密接に関わりながら仕事をする環境になると思います。なので社会人になってからも時間を作り英語の学習を続けながら、広い視野を持って国内外問わず活躍できる人になることが目標です。

マレーシアでの半年間の留学生活を通して、1番良かったと感じることは、日本にはない多様性を体験できたことです。特にイスラム教に触れるという経験は私にとって大きな意味があったと思っています。インドネシアの友達に付き添って毎日5回行うお祈りをする場所に連れて行ってもらい実際にお祈りの様子を見ました。多くの日本人は宗教を持っておらず、高校でも多数の宗教についての簡単な知識を学習しただけでしたが、人間にとって宗教がどんな意味を持つのか、幼いころから教えを忠実に守るムスリムの人がどれほどアッラーの存在を大切に思っているか、友達との会話、お祈りの様子を自分が実際に見聞きしたからこそ学べたことだと思います。

 最後になりましたが、留学に少しでもある人は躊躇せず挑戦してほしいと思います。そして留学に行く場合は目標を決めておくとよいと思います。留学中につらいことがあったときに、また頑張ろうという自分を奮い立たせるメッセージにもなるからです。目標に関しては語学力の向上、異文化体験などがありますが、一人一人違っていてもいいと思ってます。他人と比較するのではなく、自分の決めた目標にどこまで近づけるかを大切にして、半年間あるいは1年という短い時間をぜひ有意義に使ってほしいです。

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