カレル大学
2023年度 ヨーロッパ〈チェコ〉
I. Y.(人間社会学域 国際学類 3年)
はじめに
Dobrý den! 私は、2023年9月から10か月間、チェコのカレル大学に長期留学しました。留学していたチェコのプラハは、ヨーロッパの中でも中央ヨーロッパに位置し、中世の街並みが本当に美しい、まるでおとぎ話の世界のような街です。自分が行ったことのない場所、知らない言語、頼れる人も少ない環境での生活は、大変な面をもちろんありましたが、人生の中で一番充実していた1年間でした。
留学前
私は、この留学で自分の英語力を向上させたいという目的と、とにかくいろんな国に行きたい!いろんな経験をしたい!という2つがありました。ヨーロッパの様々な国へのアクセスがしやすく、英語で授業を受講できる大学を捜し、チェコのカレル大学への留学を決めました。正直はじめは、チェコと聞いても、あまりこれといったイメージが浮かばず、チェコ語も全く知らない状態でした。しかし、自分が知らないからこそ、先入観がないからこそ、その国を楽しめるのではないか。また、言語も頼れる人もいない環境で、自分がどのくらいやっていけるのかといった、言わば挑戦のような留学でした。そんな留学ですが、留学前の準備がとても大変でした。他の国と比べて、就学ビザが手元に来るまでには、資料集めから数えて約4か月…私は、住所録を実家にしていたこともあり、実家と金沢を行ったり来たりしながら、とにかく時間がかかりました。チェコに留学している日本人の学生の中には、ビザの受け取りが出国日に間に合わず、1か月出発を遅らせた人もいました。私も、ビザの許可がおりたのは出国の3日前と、だいぶひやひやした留学前でした。とにかく何事も早め早めにすることが大切だと身に染みて感じました。留学前は、チェコ留学について発信している団体に分からないことは聞きながら、準備を進めていきました。
留学中
1、生活
チェコでは、大学の寮で1年間生活をしていました。基本2人部屋で、キッチン、トイレ、シャワーはフロアの30人ほどで共有します。こういった大人数の集団での共同生活は、プライベートがあまり確保されないなど大変な面もありましたが、世界中からプラハに集まった学生と一緒に暮らすという日本では経験できない、とても新鮮で刺激的な生活を送ることができました。
2、授業
カレル大学では、英語で開講されている授業を履修していました。また、チェコならではのチェコ語の授業も受けていました。授業で習った文章を使って、授業中にアイスクリーム屋さんに行き、チェコ語で注文してみるなど、楽しく実践的なチェコ語を学ぶことができました。日本と比べて、アクティブラーニングがほとんどで、発言しない授業でも自分の意見を宿題で毎週提出するなど、積極的な授業への意欲が求められていました。
3、チェコ留学発信団体と日本人会
留学中、留学前にもお世話になったチェコに留学している日本人で結成されているチェコ留学発信団体のメンバーになり、主にSNSを使ってチェコの魅力の発信や、日本に興味を持っている学生とクイズ大会や食事会などのイベントを行いました。また、現地で暮らしている日本人の方々が、数か月に一回ほど日本人とチェコ人が集まる交流会や、秋祭り、七夕祭りなども開催していました。日本人が少なく、国の面積も小さいことから、集まりやすく、日本人同士の友好関係も広がりました。留学はじめは、頼れる人が少なかったですが、こういった交流会に参加することでチェコ留学への不安も軽減されました。
4、その他の活動
この留学のもう一つの目的は、自分の経験値を積むことでした。留学期間中、15カ国回ることを目標にして、無事達成しました。経験は自分の強みになります。多くの国と地域を訪れることによって、日本との違いや、時期によってはチェコとの違いなど、様々な発見を得ることができました。たくさんの国を訪れたのも、陸続きのヨーロッパの真ん中に位置していたチェコだからこそできたことなのかなと思います。チェコからほとんどの国に、飛行機を使って2時間ほどで行くことができます。その他にも夜行バスや、電車での旅もしました。15カ国のうちの2カ国は、1人で旅行してみるなど、留学前には国内ですら1人で行くことができなかったのに、この留学でとても成長できたなと思います。
おわりに
この留学を経て、最初に思うのは「行ってよかった」だと思います。途中、大変で留学が終わるときは来るのかと何回も思いましたが、いざ終わってしまうとまたチェコ生活に戻りたいと思います。それだけ、この1年間がとても充実していて、いろんなものを与えてくれました。長期でなくても、短期留学プログラムなど海外で生活することは、自分を変えてくれると思います。この留学は自分を強くしてくれた、自分を変えてくれたきっかけを作ってくれました。皆さんの留学が充実したものになることを願っています。