ベルギー　ゲント大学

ゲント大学

2023年度　ヨーロッパ〈ベルギー〉

T. T.（人間社会学域法学類　3年）

はじめに

私は、２０２３年９月から２０２４年７月まで、ベルギーにあるゲント大学に留学しました。ゲントはオランダ語圏ですが、現地の方々は非常に英語を流暢に話すので、生活する上で英語でも支障はなく、授業も英語で開講されるものが多いので、ゲント大学は英語留学にも適した場所です。

留学のきっかけ

留学をしようと考えた理由は、海外での生活を体験してみたいという漠然のものだったので、これといった理由なく英語圏への留学を考えていました。そのような中、授業でお世話になっていた先生からゲント大学を含めいくつかの大学をすすめていただきました。その後、詳しくベルギーについて調べてみると、オランダ語、フランス語、ドイツ語の３つの言語を公用語とし、多くの移民を受け入れている多言語・多文化国家であることを知りました。日本よりはるかに小さい国土でありながら多様な言語、文化を持つベルギーは、一言語しか持たない日本とは対照的で、ベルギーでしか得られない考え方や価値観があるだろうと感じベルギーへの留学を決意しました。

留学前準備

留学準備で最も苦労したのは英語スコアの取得です。必要なスコアに届いたのは、ゲント大学への応募間際でした。時間的な余裕をもって計画的に英語学習ができなかったのが反省点です。また、自分のしていた英語学習はスコアを取ることが目的になってしまっていたため、現地で授業受けたり、課題をしたりする上では役に立ちましたが、日常会話には留学当初苦労し、話すための学習がもっと必要だったと感じました。

ビザの取得には、たくさんの書類の申請が必要で、申請準備から受け取りまで多くの時間を要するので、ゲント大学から正式に受け入れが決まり次第、すぐに準備に取り掛かるとよいと思います。また必要書類については毎年変更される可能性があるのでベルギー大使館のホームページをしっかりと確認することが大切です。

ベルギー・ブリュージュでの寮生活

私は、ゲントから電車で約３０分のブリュージュという街にある寮で生活していました。寮には、１フロアに20人ほどが住み、キッチンのみ共用です。キッチンでは、コンロの数が人数の割に少なかったので混雑することもあり多少不便を感じますが、友人と一緒に食事をすることができて、とても楽しい時間を過ごせます。通学手段は電車ですが、ゲント―ブリュージュ間の電車は大体１５分間隔で運行され、終電は午前１時、まっ平らでのどかなベルギーの農村風景を車窓から楽しんでいるとあっという間に到着するのでブリュージュに住んでいたからと言って不便を感じることはそれほどありませんでした。

授業

ゲント大学での授業は、講義中心の授業やグループワークの多い授業など、形態は様々です。授業では、学生が挙手をして質問したり、自分の意見を発表したりする積極的な姿勢を度々見ました。学習への意欲が高い学生がたくさんいるように感じて、こうした現地学生の学習態度からもたくさんの刺激を受けました。

食事

食事は、基本的に自炊でした。外食は日本と比べてとても高いですが、自炊なら比較的安く食費を抑えることができます。スーパーには当然ですが日本食はあまり売っておらず、留学当初は何を作っていいか分からず大変でした。このように海外にいたら当たり前の経験もとても新鮮に感じ、食文化に少し興味を持つきっかけになりました。スーパーに行って、どのような食材が売っているのか見るのがとても楽しく、用もなく行くことも多々ありました。食に限らず、日常生活さまざまなことから興味をそそられるのも留学生活の醍醐味です。

留学生活を振り返って

留学を振り返ってみて、一番に良かったと感じることは、様々な国の友人、知人に恵まれたことです。友人の実家に招いてもらい現地の暮らしや食事を体験したり、一緒に外食に行ったり、休日には一緒に旅行に行ったり様々な思い出を共有できました。また、日本語学科の学生団体「友の会」やESN（エラスムス・スチューデント・ネットワーク）という団体のイベントに参加して、いろんな人と交流する機会もありました。

　また、ベルギーからは、他の国へのアクセスが非常に良くたくさんの国へ行くことができました。行く先々で、新しい文化、風景を知り、とても刺激的な経験でした。旅行中、ベルギー人の友達がレストランなどでいつも現地語を使って話そうと努力していたのがとても印象的でした。彼の行動から現地の人々に対するリスペクトの気持ちが感じられました。ヨーロッパの多様な言語を守っていくために非常に大切なことだと感じました。
　金沢大学で出会った留学生ともドイツやフィンランドで再会しました。ドイツでは、ドイツ発祥であるクリスマスマーケットに連れて行ってもらい、フィンランドではサウナや、森の中でブルーベリー狩りやきのこ狩りを体験させてもらうなど、どれも現地の文化を深く知る貴重な経験となりました。

おわりに

　留学を終えて、留学をサポートしてくださった大学の先生方、ベルギーや日本の友人、そして家族への感謝の気持ちでいっぱいです。ベルギーで貴重な経験ができたのは、多くの人の支え、助けがあったからだと強く思います。感謝の気持ちを忘れずにこれからの活動に取り組んでいきたいと思います。

これから留学に行く方、留学に行くか迷っている方、留学に行って後悔することはありません。留学で培った経験はかけがえのない宝物になります。皆さんの留学生活が成功することを願っています。