ベルギー ゲント大学

掲載日:2024-10-8

ゲント大学

2023年度 ヨーロッパ〈ベルギー〉

M. Y.(人間社会学域 国際学類 3年)

Hallo!私は20239月から20247月までベルギーのゲント大学に留学していました。この報告書で、これからゲント大学への留学を考えている皆さんの留学生活をより充実したものにできればいいなと思います。

留学前
<なぜベルギーでの留学を選んだか>

私は幼い頃から英語を習っていたこともあり、漠然とですが、いつか英語を使って海外留学を経験したいと考えていました。過去の金沢大学の派遣留学報告書を読んでいた際、「英語圏ではないのに英語で留学ができる」「ベルギーは1つの国に3つの公用語があり、それに伴って地域が分かれている」ということを知り、日本では見られない、特に後者の特徴に強く興味を持ちました。そこから「実際に現地に行き、人々がそのような環境下でどのように暮らし、どんな課題を抱えているのかを知りたい」と思ったことが、ベルギーへの留学を決めたきっかけです。さらに、ベルギーは私の好きなビール、フライドポテト、チョコレート、ワッフルが有名だと知り、美味しい食べ物と本場のビールにたくさん出会えそうだと思ったのも、実はベルギーでの留学生活を決めた理由の1つです(笑)。

<留学準備>

ゲント大学への留学準備をする際、特に気を付けるべき点が2つあります。1つ目は、ビザ取得に必要な書類が非常に多いことです。この点については、早めに何を提出するのか確認することが大事です。ゲント大学からの受け入れ許可証が届く前に、大使館のホームページで何が必要かを事前に確認しておくと、受け入れ許可証が発行された後、スムーズにビザ取得のための手続きを進めることができます。

 2つ目は住居に関することです。ゲント大学へ留学を希望する学生は誰でも、家探しが必要になる可能性があります。これは、例年では半年間の留学をする学生がゲント市の寮に入れることが多かったにもかかわらず、2024年には多くの学生が寮に入れず、家探しを余儀なくされたためです。1年間留学をする学生は、ゲント市の寮には入れませんが、ゲントから電車で30分ほどのブリュージュにある寮に住むことが可能です。どうしてもゲント市内に住みたい学生は、自力で家探しをすることになります。私も家探しをして、なんとかゲントで住む部屋を見つけました。しかし、言語の壁や詐欺の多さから、家探しには多くの時間と労力、そしてストレスがかかります。それでもゲント市内に住みたい場合は、留学へいく年の春休みから、家探しを始めてください。そして過去に家探しをした先輩から詐欺対策や家探しに必要な知識を教えてもらうことをおすすめします。

留学前には、英語力の向上を目指して勉強することはもちろん前提となりますが、さらにおすすめの準備として、自分が留学中にやりたいことを整理し、リストアップしておくこと、そして渡航前にアカデミックカレンダーに軽く目を通しておくことをおすすめします。事前に自分のやりたいことを明確にし、それらを授業と並行していつ頃できそうかを計画しておくと、到着後すぐに行動に移しやすいと思います。

留学中
<日本語教育のインターンシップ>

留学中では、金沢大学で副専攻として日本語教育を学んでいたことを活かしたい、日本語のネイティブスピーカーとしてゲント大学の日本語の授業をサポートしたいという思いから、ゲント大学の日本学科で開講されている日本語の授業をインターンシップ(オランダ語で “Stage”)として手伝いました。インターンシップでは、日本語を学ぶ学生からの質問に答えたり、教科書で学ぶ文法や漢字の問題を作成したり、授業の一部を自分で担当したりしました。このインターンシップを通じて、私は本当に多くのことを学びました。実際に日本語を教える難しさ、自分の課題を見つけ、それをどのように克服するか、学習者やメンターの先生とのコミュニケーションの取り方、他の授業との両立など、さまざまな経験を積むことができました。後期には、他学年の授業に加え、ゲントの成人教育センターで開講されている社会人向けの日本語の授業も手伝うことができました。特に、社会人向けの授業を手伝った経験は、ベルギーの社会を実際に創っている社会人の方たちと交流ができ、ベルギーという国をもっと深く知ることのできる貴重な機会でした。当初はインターンシップとして授業を手伝うつもりはなかったのですが、結果的にインターンシップというかたちで手伝うことができて本当に良かったと感じています。インターンを通じて、多くのことを考える機会を得ただけでなく、たくさんの素晴らしい人々との出会いがあったからです。

日本語教育の経験を積みたい人にもゲント大学はおすすめです。初級から上級まで日本語の授業が開講されており、希望すればインターンシップとして授業を手伝うことができます。指定された労働時間数を満たし、最後にインターンシップでの活動についてのレポートとプレゼンテーションを行えば、授業と同様に単位を取得できます。もちろん、インターンシップを実施できるかどうかは毎年確認が必要ですが、基本的にはインターンシップコーディネーターの先生や日本学科の先生たちも、日本人学生がインターンシップとして授業に参加することを歓迎していると思うので、興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください!

<メッセージ>

私から最後に伝えたいのは、「自分のやりたいこと」や「自分の興味・性格」を大切にして、自分だけの留学をぜひ創ってほしい、ということです。私の場合、前期の留学生活では、「ベルギーにいる貴重な時間を無駄にしないように、留学中はできるだけ多くのことをやらなきゃ」という焦りが先行してしまい、日々の出来事やイベントをあまり楽しめなくなってしまいました。そんな焦りや欲求不満が積み重なり、一度心が動かなくなってしまった時期もありました。その時、自分の留学についてもう一度考え直しました。「何をすれば自分は楽しいと感じられるのか」「最低限、何を達成できれば後悔なく留学生活を終えられるのか」と自分に問いかけました。そして、「多くのことに手を出すより、自分が情熱を注げるものに絞って取り組む方が、得られるものが大きい」と気づきました。後期はやりたいことを絞り、それに納得がいくまで取り組むことを心がけた結果、より自分らしい生活を送り、ベルギーでの生活も一層楽しめるようになりました。振り返ると、落ち込んだ時期があったおかげで、留学に来た目的を明確にでき、自分の特性を理解し、それに合った留学生活を送ることができたと思います。ゲント大学へ留学する目的、留学生活でやりたいこと、留学先に関して興味のあることは本当に人それぞれだと思います。移民問題を学びたい、たくさん旅行して旅先の文化や雰囲気を知りたい、オランダ語を勉強したい..etc、そんな自分の思いや興味を大切にして、自分だけの留学をデザインしてみてください!

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