バルセロナ自治大学
2023年度 ヨーロッパ〈スペイン〉
T. S.(人間社会学域 国際学類 3年)
はじめに
¡Hola! 私は2023年9月から2024年6月までスペイン・バルセロナのバルセロナ自治大学(UAB)へ留学していました。この報告書では約10か月の留学を通して感じたことや考えたこと、実際の留学の様子、留学生活で学んだことについてお伝えします。これから留学を考えている皆さんにとって少しでも参考になる情報をお伝えできればと思います。
留学前
留学するにあたって、ビザを取得する必要があります。ビザの申請は渡航の3か月前(6月ごろ)から可能なのですが、手元に届くまでは申請から2か月ほどかかりました。5月中には書類を集めておくことをお勧めします。バルセロナ自治大学では原則B1レベルが求められているものの、語学レベルの証明書を提出する必要はありませんでした。当時の私はスペイン語の基礎レベル程度しかなかったため、もっとスペイン語を勉強しておけばよかった…と渡航後に後悔しました。またUABの寮に入居したかったのですが、応募するのが遅かったためキャンセル待ちをするしかなく、その間に自分で学校付近のアパートを探しました。Idealistaというアプリで探したのですが、外国人というだけで断られるなど見つけるだけでもかなりの時間を費やしました。当時金沢大学に留学していたスペイン人の友人に、ビデオ通話での内見で支払いなど懸念点についてすべて聞いてもらい、無事アパートを決めることができました。また、空港から大学まではかなり遠く、電車の乗り換えもしなければならないので、事前に行き方を調べておくことをお勧めします。
バルセロナでの生活
私は寮ではなくSabadellという街にあるアパートに住んでいたため、UABまで電車通学をしていました。バルセロナにはferrocarrils(カタルーニャ州が運営している会社)、Renfe(JRのようなもの)、市内にはメトロの3つの電車があります。3か月大体40ユーロのt-mobilitatというゾーン無制限(バルセロナではゾーンで料金が変わります)で、バス・電車・メトロすべて利用できるカードがあるのでそれを使っていました。普段の買い物はMercadonaというスペイン中にあるスーパーで買い物をしていました。プライベートブランドがあるためほかのスーパーよりも安いです。また、日本に比べて野菜やフルーツが安く、日本にいるときよりもフルーツを食べていたと思います。大学にも各学部に食堂がありましたが節約のためにお弁当を作ってもっていくことが多かったです。家から市内までは電車で1時間ほどかかりますが、Sabadellでほとんど買い物を済ませることができるので、不便を感じることはありませんでした。私はアパートに住んでいたので、スペインの銀行は作らずネットバンキングのRevolutというアプリを利用して支払っていました。しかし、寮に住んでいた子たちは口座引き落としだったため、つくらなければならなかったようです。お金に関しては、到着してからTIE(在留カードのようなもの)の申請のために警察の予約をしなければならず、また申請料も16ユーロほど現金で払わなければならないのである程度、現金も持っていくことをおすすめします。TIEの申請はとても大変なのですが、友達に聞いたり、TIE申請方法について詳しく書いてあったブログがあったのでそれを参考にしたりして行いました。
授業について
1年を通して履修していたのは留学生向けのスペイン語文法のクラスで、UAB内の語学学校でスペイン語のクラスに通っていました。前期は、学部で文法のクラスの他、現地生向けの日本語のクラスを取り、語学学校ではスペイン語のクラスと無料でカタルーニャ語のクラスを取っていました。カタルーニャ語はスペイン語とフランス語を足して2で割ったような言語で、単語もフランス語に似ているものも多いので、フランス語を勉強したことある人にとっては親しみやすい言語かもしれません。後期では、通訳になるための翻訳の授業で、英語からスペイン語に翻訳するクラスを履修していました。このクラスはほとんどが留学生だったのですが、イタリアやフランス、ポーランド出身の留学生の子たちはスペイン語がネイティブレベルにペラペラで、授業についていくのに必死でした。その授業後はメンタル的にやられて、本当に授業に行きたくないと思ったことも多々ありましたが、周りの留学生たちに助けられながらなんとか単位をもらうことができました。語学学校の授業は、レベル分けされているので、自分のレベルと同じような人たちがたくさんいます。先生たちもやさしく、文法もしますがコミュニケーション重視の授業だったため、日常生活で使えるようなスペイン語を教えてもらうことができ、役に立つものでした。
旅行について
留学中、月に1回は旅行に行っていました。日本とは違い、他国と陸でつながっているのでバスでも電車でも安くいけちゃうところがヨーロッパの魅力です。フランス・リヨンからチェコ・プラハまで14時間かけて夜行バスでいったこともありました。スペイン内の旅行もしましたが、特にアンダルシア地域はおすすめです!セビージャ、コルドバ、グラナダはキリスト教とイスラム教が共存していた場所なので、アラビアンな雰囲気も味わえます。夏場はサマータイムもあり、日が出ている時間が長く、穏やかでゆったりと流れる時間を楽しむことができます。
最後に
楽しいだけの一筋縄ではいかない留学ですが、バルセロナでの留学を終えて帰国後は周りの人たちに一皮むけたねとよく言われます。留学中もちろん悔しい思いも、つらい思いもたくさんありましたが、それらすべての経験が今の自分、自分の成長に繋がったと思っています。もともとは英語圏に留学したかった私ですが、スペイン語を選んで留学したことは全く後悔していません。むしろ、英語圏だけではなく、スペイン語圏の人ともコミュニケーションが取れるようになり世界が広がったと思っています。また母国である日本を客観的に見ることのできる1年でした。私にとってバルセロナでの留学は夢のような時間であり帰国後はあまりに恋しく、逆カルチャーショックのようになったこともありましたが、それほど留学で得た貴重な経験は何にも変えることのできないものです。これから留学に行くことを考えている方が留学先でしか得られない経験を沢山し、充実した留学生活を送れることを願っています。そして、この報告書が少しでも助けになることを祈っています。