イギリス シェフィールド大学

掲載日:2024-10-11

シェフィールド大学

2023年度 ヨーロッパ〈イギリス〉

M. Y.(人間社会学 域国際学類 3年)

はじめに

私は2023年9月から約1年間、イギリスのシェフィールド大学へ留学しました。この報告書では、私がシェフィールドでの留学生活を通して経験したこと、感じたことなどを紹介させていただくと同時に、少しでも留学を考えている方の後押しとなれば幸いです。

留学のきっかけ

私は幼い頃から漠然と海外に興味があり、大学で留学をすることを目標に定めていました。留学先としてシェフィールド大学を選んだ理由は、まず第一に英語圏に行きたかったこと、そして歴史のあるイギリスでさまざまな文化に触れたかったことです。さらに、ゼミの先生の助言もあり、自身の専攻である映画学の授業が充実していて、教育水準が高いラッセルグループに所属するシェフィールド大学を選びました。

留学の準備・渡航前

準備としては、主にIELTSとビザの取得が挙げられます。シェフィールド大学は学部ごとに求められるIELTSのスコアが違うので、早めに受験して、自分の目標スコアが取れるようにしておくことをお勧めします。
ビザの申請には、思っていた以上に時間と労力がかかりました。ビザを申請するには、まずシェフィールド大学からの入学許可書であるCASが必要なのですが、私の場合、例年より少し遅れて届いたので、間に合わないのではと焦った時もありました。YouTubeやNoteでビザ申請の方法を紹介している方がいるので、それらを参考にすると良いと思います。
また、住居については、シェフィールド大学に通っていた知人の勧めで、大学寮ではなく、学生向けのプライベート寮を5月下旬~6月頃に契約しました。この時期にはまだCASも届いておらず、留学やビザが確実に許可される保証はなかったのですが、知人から「遅くなると空きがなくなる」と忠告されたため、早めに契約しました。私が選んだプライベート寮は、トイレとシャワーが個別の部屋タイプ(en-suite)で、同じ条件の大学寮よりも安価でした。

留学中の生活
1. シェフィールドについて

シェフィールドは、イングランド中部のサウスヨークシャーにある工業都市です。近くにはマンチェスターやヨーク、リーズといった大都市があり、電車で約1時間ほどで行けます。また、ロンドンやエディンバラへも電車が通っていて、立地はとても便利です。学生の多い街で治安も良く、日本とあまり変わらない安全な印象を受けました。市街地であるCity Centreは、大学のメインエリアから徒歩10~20分ほどで、スーパー、飲食店、クラブ、パブなど、必要なものはほぼ揃っています。公園が多く緑豊かな街で、よく散歩を楽しんでいました。本当に素敵な街です!

2. 授業について

シェフィールドでは、秋セメスターと春セメスターで計120creditsの授業を履修しました。交換留学生は学部を超えて授業を選べるので、私は秋セメスターにジェンダー学系、春セメスターに映画学や音楽系の授業を主に履修しました。さらに、留学生向けのWriting & Speakingの授業も取りました。日本の授業と比べ、ディスカッションが多く、自分の意見をシェアする機会が多かったため、知識と語学力が重要です。最初は英語力への不安や自信がなく、発言するのが難しかったですが、授業外での予習復習、オフィスアワーの活用、そして「発言しなければ意味がない」という気持ちで、積極的にディスカッションに参加するようにしました。先生や周りの学生も良い人たちばかりで、徐々に自信がつきました。

3. 課外活動

私はJapan Societyという日本に関心のある現地学生や日本人留学生が集まるサークルに所属していました。シェフィールド大学には日本語を学べる学部があるため、このサークルはコミュニティを広げる良いきっかけになりました。また、シェフィールド大学ではGive it a goという、気軽に参加できるボランティアや旅行などのイベントが多く開催されています。私は友達と一緒にこれらに参加し、特にボランティア活動では、大学では出会えないようなシェフィールドに住む現地の方々と交流する貴重な経験ができました。
休暇中や週末を利用して、イギリス国内やヨーロッパを旅行することもでき、1年でさまざまな土地を訪れました。日本ではなかなか経験できないようなことをたくさん体験でき、様々な世界を知れる良い経験となりました。

留学中の苦労

私が留学中に直面した大きな壁は、秋セメスターに受けた最上級生向けの授業でした。イギリスの生活に慣れるのに精一杯な時期に、2つも最上級生向けの授業を取ってしまったのです。周りはネイティブの正規生ばかりで、ディスカッションの際に彼らの英語力や知識の差に圧倒され、何度も心が折れそうになりました。さらに、この時期は朝8時でも暗く、午後3時頃から日が沈んでしまうため、日照時間が短くなり、ビタミンDが不足しました。これらの要因が重なり、11月頃には気分が落ち込むこともありました。しかし、フラットメイトや友達の支えがあり、乗り越えることができ、その後はより積極的に挑戦できるようになりました。イギリスでは、この時期にビタミンDのサプリメントを摂ることが推奨されており、スーパーで簡単に手に入りますので、ぜひ活用してみてください。また、私は利用しませんでしたが、大学にはメンタルヘルスサポートも充実しているので、辛い時は周りに頼ることが大切です。
また、シェフィールドではヨークシャー訛りの英語が話されています。学生は様々な場所から来ているので、友達との会話で困ることはなかったのですが、寮に来るメンテナンスのスタッフが強いヨークシャー訛りだったので、最初は「え、ほんまに英語?」と思うほど聞き取るのに苦労しました。最初は聞き取れないことが申し訳なくて、聞き返すのが怖かったのですが、だんだんリスニング力も向上し、かつ、わからない時は素直に聞き返せるようになりました。

最後に

この1年は、本当にたくさんの素晴らしい経験に恵まれました。小さい頃に思い描いていた「楽しいだけの留学生活」とは違って、挑戦もたくさんありましたが、それ以上に素晴らしい出会いや楽しい瞬間が数えきれないほどありました。振り返ると、私にとって大切で、充実した1年だったと心から感じています。留学のおかげで、英語力や学びのスキルはもちろん、心の強さや自分自身の成長を実感しました。日本にいるだけでは気づけなかった世界の広さや、多様なバックグラウンドを持つ人たちとの交流が、私の視野や価値観を大きく広げてくれました。今でもシェフィールドで出会った友人たちと連絡を取り合っており、彼らは一生の友人です。
留学は、準備段階から挑戦の連続ですが、それを乗り越えることで、素晴らしい成長や経験が待っています。迷わず、ぜひ一歩を踏み出してみてください。新しい世界がきっと広がります!

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