セントラル・ランカシャー大学
2023年度 ヨーロッパ〈イギリス〉
Y. S.(人間社会学域 国際学類 4年)
私は2023年9月から2024年の1月までイギリスのセントラルランカシャー大学に留学していました。私が留学先にセントラルランカシャー大学を選んだ理由は、イギリスが英語圏であることと、ヨーロッパの文化に興味があったからですが、留学を終えて振り返ってみるとやはりイギリスに留学できてよかったなと感じています。また前提として、金沢大学から留学をする皆さんの多くは2年生または3年生の時期に渡航するケースが多いですが、私は4年生という比較的遅い時期の留学になりました。そのため、留学前の準備や留学中の様子に加え、遅い時期の留学は実際どうだったのかについても書いてみたいと思います。
まず、留学準備として重要なものの1つが語学要件の充足です。私はIELTSを受験し語学要件を満たしましたが、IELTSはこれまでの英語の試験と難易度や形式が異なりますので、留学を考えている方は少しでも早く対策しておいて損はないと思います。また、ビザについて不安がある方も多いと思いますが、イギリスは6か月以内の滞在であればビザの申請が必要ありませんので、半年以上留学する方に比べて必要な準備は少なかったと思います。ただ、ビザについては国や期間によって異なるので、しっかりと確認しておく必要があるでしょう。
さて、留学中の生活ですが個人的に最も大事だと感じたのが留学序盤の動きです。セントラルランカシャー大学では、最初の1週間が“Welcome Week”になっており、新入生向けに様々なイベントが開催されます。私はこの期間、積極的に多くのイベントに参加し、寮にこもる時間が少なくなるように意識してみました。その結果、留学期間中多くの時間を過ごす友達を作ることができ、その友達とは留学が終わった現在でもやり取りをしています。もちろん、渡航直後で疲れもあり、慣れない環境と言語による精神的ストレスも大きいとは思いますが、留学初期に行動できるかできないかはその後の留学生活の充実度に大きく関わると思いますので、留学を考えている皆さんにはぜひ心がけていただきたいと思います。
一方、現地における英語での交流には慣れるまで苦労しました。セントラルランカシャー大学があるプレストンという町はイギリス中部に位置しており、英語の発音はこれまでの勉強で触れてきたものとは全くの別物という印象です。実際、留学当初に現地の人と話したときは、誇張なしに何を言っているのか聞き取れず、ショックを受けました。ただ、交流を続けるうちに自然と耳が慣れ、徐々に聞き取れるようになっていきました。そのため、相手の英語で聞き取れなかった部分があったとしてもあまり自信をなくす必要はなく、楽しんで交流を続けていくこと、聞き取れなかったところは遠慮せず聞き直すことが大切だと思います。
次に就職活動についてですが、私は帰国直後からの本格的なエントリーに備え、留学と並行して自己分析と業界・企業研究を行っていました。日本から来た留学生の中には自分と同じく就活を控えた人やすでに就活を終えた人もいたので、それぞれ情報を交換したりアドバイスをもらうなど協力して進められたのはラッキーでした。留学中に就活を行うのは少々忙しい気もしますが、1月の帰国であれば本格的なエントリー開始にも間に合い、留学の経験を新鮮なうちに話すこともできるので、個人的には心配しすぎる必要はないと思います。ただ、エントリー時期が早い業界を志望している場合はエントリー時期が留学と被ってしまうこともあるので、その点には注意が必要です。
最後に、半年に満たない短い期間でしたが、私は留学を通して人間的に大きな成長をさせてもらったと思います。日本とは全く違う環境で日本語が通じない人々と生活を共にすることは正直簡単なことではありません。しかし、その経験を通して外国の文化やそこに住む人々の価値観について知り、日本や自分自身のことについても深く考える機会が得られました。そして何より度胸がつきます。これまでの自分はなかなか新しいことに挑戦できない面がありましたが、留学を終えてからは興味のあることに積極的にチャレンジできるようになりました。外国で生活できたという経験はそれだけ自信につながるのだと思います。今はこれだけ貴重な経験をさせていただいたことに感謝しています。
自分は4年生という遅い時期だったこともあり留学するべきかどうか悩みましたが、あの時留学することを決断した自分を褒めたいくらい素晴らしい時間を過ごせました。コロナ禍で始まった学生生活で胸を張れるようなことはないと思っていましたが、留学で大逆転した気分です。なので、今留学を迷っている皆さんにはぜひ留学を決断してほしいと思います。必ず何にも代えがたい経験になります。