漢陽大学
2023年度 アジア〈韓国〉
N. M.(人間社会学域 国際学類 3年)
1. 留学先、留学時期について
韓国の漢陽大学観光学部に2024年2月末~6月末まで4か月間留学をしていました。
中学生の頃、韓国アイドルの話す韓国語の響きの柔らかさに惹かれ、いつかこの柔らかい言葉に触れながら暮らしてみたいと思うようになったのがきっかけです。金沢大学に入学し、本格的に韓国語の勉強を始め、3年間にわたり「朝鮮語」の授業を受講しました。
首都ソウルにある漢陽大学を選んだのは、標準語が学べる点、受講したい授業が開講されていた点にあります。韓国には地方によって方言が数多く存在しており、言語学習者として、まずは標準語を学べる環境に身を置きたいという思いから選択しました。また、漢陽大学は、韓国国内で航空サービスの講義を開講している、数少ない大学の一校であったことも大きな決め手です。自身の興味に合った授業を開講しているのか確認して、派遣先を決定するとよいと思います。
2. 留学前の準備として、何をすべきか
①奨学金の受給基準を確認
金沢大学では、一定期間の成績が一定基準に達すると、給付型の奨学金を受給できる制度があります。(年度によって変更される場合があります)受給希望者は、GPAを意識しながら学生生活を送るとよいと思います。
②語学力
漢陽大学では、語学要件としてTOEICや、TOPIKなどの試験を課しています。まずは資格を得ることが必要ですが、さらに、スピーキングに力を入れておけばよかったという思いがあります。留学先では、圧倒的に韓国語を話す機会が多く(英語を使う機会はゼロに等しかったです)留学前に力を入れるべきはスピーキング練習だと断言できます。リーディングやライティングは帰国してからいくらでもできます!金沢大学に来ている韓国人留学生との積極的な交流や、語学練習アプリの活用をお勧めします。
③志望理由を明確にする
希望者が多い場合、面接をもって派遣者が決まることがあります。派遣留学先で何を学びたいのか、どうしてその大学でなければならないのかを、早い段階で明確に表現できるとよいと思います。
④申請書類の作成
留学を通して最も過酷なのが「書類準備」だったといっても過言ではありません(笑)
先方の大学からは、すべて英語でメールが届き、それに沿って申請書類を準備しなければなりません。締め切りをよく確認して、計画的に進める必要があります。特に、ビザは早めに申請することをお勧めします。県外の領事館に直接申請に行かねばならないケースもあります。
3.留学先について知っておくとよい情報
2023年度、漢陽大学の派遣留学生は、寮に入ることができず、自分で家を探す必要がありました。コシウォンやシェアハウスに住んでいる友人が多い印象でした。仲介業者に委託することで、家探しのストレスと不安要素が軽減されたのでぜひ利用してみてください。
また、通学には地下鉄2号線を利用するため、沿線に住むことをお勧めします。乗り換えは、朝の眠たい時間には億劫ですzzz
4. 留学中に取り組んでよかったこと
①日本語授業のアシスタント
日本を国際的な観点から客観視してみたいという思いと、友人を作りたいという思いから(こちらがメインの目的です笑)日本語の授業にアシスタントとして参加しました。日本語授業は日本人が受講することはできない制度でしたが、何人かの教授にメールで受講希望する旨を伝えてみましたが断られることが多く落ち込みました。しかし、直接お会いして聴講の熱意を伝えた結果、許可をいただくことができました。ただ単位は認められず、ボランティアとしての参加が条件でした。自分がやりたいことを簡単にあきらめず、様々な手段を用いて実現させる経験ができたと考えています。
②うどん屋でのアルバイト
実践的な韓国語を学ぶ目的でアルバイトを行いました。当時、周囲の友人との語学力の差に焦燥感を覚えることも多く、ふさぎ込みがちでした。そんな自分を変えたいと、深夜テンションでうどん屋のアルバイトに応募したのをきっかけに、新しいコミュニティでの生活は大変充実したものになりました。
5. 留学を通して成長したこと、また、今後どのように生かしていこうと考えているか
留学を通して、自身の価値観に気が付けたことが一番の収穫だと言えます。というのも、私自身驚いているのですが、語学力が向上したことが最大の成果ではなかったからです。語学力はあくまで手段であり、それをどう活用するかによって留学で得られるものの大きさが変わると感じました。また、行動しない限り状況が変わることはないことを強く実感しました。
6. 派遣留学を志す後輩へのメッセージ
留学に限らず、目標というものは、明確な理由を持ち、最短ルートで効率的に達成しなければならないものと考える人が多いのではないでしょうか。なぜこんな偉そうな話をしているのかというと、私自身、まさに留学前、葛藤を感じていたからです。実際に「なぜ留学をしたいの?」という問いに言葉にできるものがないのが悩みで、果たして留学に意味があるのかと感じる毎日でした。やりたいことというのは、やり終えた後になぜ惹かれていたのかわかることもあるのだと思います。まずはやってみる、後付けでもいいからやってみる、という瞬間も“あり“だと思います。
「知り合いが一人もいない、新しい環境で、自分って何にでもなれちゃう!」
是非、いろんな自分に出会ってみてください。思い出に残る素敵な留学生活になりますように!