日本を代表する哲学者で,本学の前身校の一つ,第四高等学校で教鞭をとっていた西田幾多郎の主著『善の研究』の一部の原本(初出)と推定される資料『西田氏実在論及倫理学』を,石川県西田幾多郎記念哲学館の調査により金沢大学附属図書館で所蔵していることを確認しました。この資料は,日本の哲学史研究者間では長年「幻の本」だったもので,現時点で所在が判明しているものは,今回確認した本学所蔵分のみです。
6月3日には,本学と石川県西田幾多郎記念哲学館との共同記者会見を行い,岩見雅史附属図書館長は,『西田氏実在論及倫理学』の意義について「西田幾多郎が四高教授時代に研究同様に教育に尽力していたことや,当時の学生の勉学に対する意気込みを伝える物的証拠という意味で大変貴重なものである。本学ならではの貴重書として,今後も大切に保管したい。」と述べました。
なお,今回確認した資料は,6月7日(火)から16日(木)まで,金沢大学附属中央図書館で展示を予定しています。
※附属図書館の特別展示情報はコチラ