統合失調症の神経伝達異常の引き金分子を同定

掲載日:2012-9-19
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医薬保健研究域医学系の橋本隆紀准教授らの研究グループは,アメリカ・ピッツバーグ大学精神医学部門との共同研究で,統合失調症患者の前頭前野と呼ばれる脳の領域でLHX6 と呼ばれる分子の発現量が低下していることを世界で初めて明らかにしました。
統合失調症は,100 人に1 人が発症する比較的多い精神疾患で,幻覚や妄想に加え,注意や思考に障害を引き起こします。統合失調症の場合,抑制性の神経細胞にさまざまな変化が報告されており,認知機能障害の原因と考えられてきました。LHX6 の発現低下は,抑制性神経細胞の変化の引き金であると考えられ,LHX6 が発現の調節を行っている他の分子を同定することで,認知機能障害に対する治療法の開発につながることが期待されます。

本研究成果である論文「Deficit in Transcriptional Regulators in Cortical Parvalbumin Neurons in Schizophrenia」が,米国精神医学専門雑誌『American Journal of Psychiatry』(オンライン版)に掲載されました。

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