金沢大学では,環日本海域環境研究センターや理工学域を中心に,カンボジア王国での調査研究活動ならびに教育啓蒙活動を15年以上にわたって継続してきました。同国でこれまでに展開してきた,UNESCOの生物圏保護区であるトンレサップ湖の環境調査や生物多様性の調査,観光産業の爆発的な発展とともに環境汚染や破壊が顕在化してきたアンコール遺跡世界遺産公園の環境調査,カンボジアにおける環境科学/地球科学教育プログラムの支援などによって得られた成果は,同国における今後の環境保全や人材育成へむけての貴重な資料として同国内で高く評価されているとともに,これらの活動はUNESCOなどの国際機関にも周知されています。
これらのさまざまな活動を金沢大学としてさらに拡大発展させることを目的に,2月9日,中村信一学長,長野勇理事(研究・国際担当)・副学長らがカンボジアを訪れ,アンコール遺跡群の維持管理および環境保全の中核組織であるアンコール遺跡整備公団と,11日には同国の理工系研究教育の中心であるカンボジア工科大学と大学間交流協定を締結しました。
この協定締結をふまえて本学は,カンボジアの将来を担う人材の育成支援プログラムや環境保全のための技術支援プログラムなどをさらに拡大し,同国社会の持続的かつ創造的な発展と,自然環境,世界遺産,そして地域住民の調和的な社会の創造へむけて尽力していく予定です。
カンボジア・アンコール遺跡整備公団等と交流協定締結
掲載日:2010-2-18
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