金沢大学は総合地球環境学研究所,国連大学高等研究所いしかわ・かな ざわオペレーティング・ユニットなどと主催して,6日,金沢市の石川県立音楽堂で「にほんの里から世界の里へ」と題して連携セミナーを開催しました。
今年が国際生物多様性年であることから,人がかかわることで豊かになる「里山」をテーマに国内外の研究や実践事例が報告され,全国から集まった400人の市民や関係者が耳を傾けました。
午前の部では,「生物多様性と人の営み~にほんの里100選・新たな挑戦~」と題して,岩手県一関市萩荘・厳美の生物多様性の保全と再生に向けた地域住民の取り組みや,「自治会生態系規則」を議決し,生態系に支えら れた1次産業再生を実践する山口県上関町祝島など8つの事例が報告されました。この後,鷲谷いづみ東京大学教授や森本幸裕京都大学教授らによるパネル討論会を開き,自然に人が働きかけることで,変化しながらも一定の持続的な表情を保っている里山・里海の意味について討論がありました。
午後の部では「豊かさを問う~里山のSATOYAMAの未来可能性~」をテーマに,特別講演としてフランス文学者の奥本大三郎氏が「都会に里山を」と題して都市住民による生物保全のかかわり方について語りました。この後,本学が石川県能登半島で実施している環境配慮の農林業人材育成事業「能登里山マイスター」養成プログラムについてや,アジアの里山のついての研究について総合地球環境学研究所の研究者の講演がありました。また,中村浩二金沢大学学長補佐(社会貢献担当)・教授の司会でパネル討論が開かれ,あん・まくどなるど国連大学高等研究所ユニット所長(金沢大学国際連携コーディネーター)らが,「人と自然が調和する里山の概念を世界に広めるためにはアジアから の情報発信が必要」などと話し合いました。
連携セミナー「にほんの里から世界の里へ」を開催
掲載日:2010-2-12
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