6月10日,サテライト・プラザにて公開講座「がん医療の最前線」を実施し,40代から80代の市民11名が受講しました。
はじめに,がん進展制御研究所の鈴木健之所長から開講にあたって「がんを早期に発見し早期に治療するために,最新のがん医療に関する情報を分かりやすく紹介します」とあいさつがありました。
続いて,本学の医薬保健研究域保健学系の川島博子教授が 「乳がん~治る乳がんを見つけるための検診・検査の受け方~」をテーマに講義しました。
日本人女性の乳がん生涯罹患率が10.6%で,およそ9人に1人が罹患することに触れ,近年の検診受診率の推移を示しながら,コロナ禍で検診受診者が減少していることが懸念点であると述べました。また,早期発見には,自覚症状がない場合でも自己検診や,定期的な乳がん検診を受けることが有効であると述べ,検診で使用されるマンモグラフィ(乳房撮影)や超音波検査の利点と欠点をあげながら,それぞれの検査内容について解説しました。二つの検査方法に優劣があるわけではなく,検出するのを得意とする病状に違いがあるため,個人の状態により,適切な検査方法が異なると説明しました。
また,普段から乳房を意識する生活習慣「ブレスト・アウェアネス」を提唱し,何か違和感がある場合は速やかに医師に相談してほしいと呼びかけました。
受講生からは「乳がん検診の受け方がよく分かった」「検診を継続して受ける必要性が分かり,同一施設で受けることの大切さが分かった」といった感想が寄せられ,早期検診の役割とその重要性を理解できた様子でした。
全3回の講座を通して,がん医療についての知識を深めていきます。
講師:がん進展制御研究所 所長 鈴木 健之
医薬保健研究域保健学系 教授 川島 博子