7月15日,サテライト・プラザにて公開講座「海外学術調査旅ノート2023-海外フィールド調査の辛さと楽しさ-」を実施し,高校生から80代までの18名が受講しました。
環日本海域環境研究センターの唐寧教授は,「中国の大気汚染:はたして日本にも影響があるのか」をテーマに,国境を越えて拡散される大気汚染物質について講義しました。
はじめに,講師から中国から飛来する大気汚染物質が日本に越境輸送される過程について説明があり,気圧配置や輸送ルートにより濃度や組成が異なることに言及しました。
続いて,それらが中国国内や日本にどのように影響を与えているかをデータや事例を交えながら解説しました。
最後に,中国の厳しい環境保全策の実施により,越境輸送される大気汚染物質の量は減りつつあるものの,問題の解決には国境を越えた国際的な協力が求められると締めくくりました。
受講生からは「中国と日本のタクシー運転手のばく露調査の実験がおもしろかった。同じ行動をしているのに濃度の結果がこんなに違うのかと驚いた」「中国の事情がよく分かった。国際的な連携が必要」といった感想が寄せられ,環境意識の重要性を再認識できた様子でした。
講師:環日本海域環境研究センター 教授 唐 寧
金沢大学公開講座・ミニ講演