放射性サマリウムで太陽系惑星の年齢を測ることに成功!

掲載日:2012-4-2
ニュース

木下哲一氏(自然科学研究科博士後期課程修了),理工研究域物質化学系の横山明彦教授らとイスラエル・ヘブライ大学,アメリカ・アルゴンヌ国立研究所の研究グループは,放射性サマリウム同位体(質量数146と147)の放射能比と原子数比からサマリウム-146の半減期(寿命)を新たに測定することに成功しました。これは現在用いられている値よりも34%短い値で,論文「A Shorter 146Sm Half-Life Measured and Implications for 146Sm-142Nd Chronology in the Solar System」が米国科学雑誌『Science』(3月30日号)に掲載されました。
サマリウム-146は宇宙・地球科学において年代測定に使われているもので,新たに測定した値を使って地球,月,火星の岩石試料について報告されている年代を再検討したところ,従来よりも古い結果が得られ,これまで一致していなかった惑星誕生の時期を太陽系誕生の1.8~2.1億年後と推定することができました。

左は放射能の比を測るためのアルファ線スペクトル, 右は原子数を測定するための加速器質量分析のスペクトル

左は放射能の比を測るためのアルファ線スペクトル,
右は原子数を測定するための加速器質量分析のスペクトル

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