9月17日,サテライト・プラザにて公開講座「渤海国をめぐる三つの問題~古代史と近現代~」を実施し,高校生から90代までの23名が参加しました。
講師の人間社会研究域国際学系の古畑徹教授は,第1講で7~10世紀に日本海の対岸にあった渤海の歴史及び古代日本との交流史について説明後,開元2年に遼東半島に建立された「鴻臚井碑」が皇居内に置かれている事情と現代的課題を解説しました。第2講は中国東北出身の歴史学者金毓黻の名著『渤海国志長編』(1934)の草稿から完成版への変化を追うことで,そこに秘められた彼の「満洲国」否定の思いを読み解きました。第3講は「加賀立国1200年」の初期国府所在地論争を事例に,歴史上の出来事に基づく地域振興策の注意点を考えました。
受講生からは「9世紀ごろの日本は渤海を中心に交流を行っていることを知り驚いた」「加賀国府の講はミステリーのようでわくわくした」といった感想がありました。
講師:人間社会研究域国際学系教授 古畑 徹