11月6日,かくまちプラザにて公開講座「城と歴史を活かしたまちづくり-秋の陣-」を実施し,高校生から80代までの13名が参加しました。
はじめに,伊藤悟金沢大学名誉教授が金沢の暮らしを支えてきた用水網の概略を示し,辰巳用水が日本四大用水に数えられている背景を説明しました。続いて,株式会社東洋設計の上坂達朗フェローが,江戸初期に造営された辰巳用水の高度な土木技術を解説し,用水を支える取り組みや用水沿いの自然環境保全活動についても言及しました。
午後からバスでフィールドワークに出た一行は,1632年に辰巳用水を完成させた板屋兵四郎を祀った八幡板屋神社を訪れ,その偉業を顕彰碑で確認しました。その後辰巳ダムへ移動し,人力で掘られた隧道の横穴や取水口を展望台から眺望しました。さらに,用水を守るために築かれた石垣が保存されている三段石垣自然園のビオトープや,整備された遊歩道を歩き,用水の流れを実感しました。
受講生からは,「取水口や隧道を実際に見ることができ,大変満足しました」「辰巳用水の成り立ちを広い視点で学ぶことができてとても面白かった」といった感想が寄せられ,金沢の歴史的な遺産の一つである辰巳用水に対する認識を新たにしました。
講師:伊藤 悟 金沢大学名誉教授
株式会社東洋設計 上坂 達朗 フェロー