「イタリア美術特別講演会」が自然科学大講義棟において開催され,一般市民を含む約170人が参加しました。
本学は,2004年からフィレンツェのサンタ・クローチェ教会大礼拝堂の壁画(14世紀末のフレスコ画)修復を国立フィレンツェ修復研究所と同教会による国際共同プロジェクト(統括責任者:人間社会研究域 宮下孝晴教授)として進めています。
この講演会は,宮下教授と,同プロジェクトを通じて交流のある元国立フィレンツェ修復研究所長のクリスティーナ・アチディーニ女史(フィレンツェ市国立美術館連合特別監督局長)の強い希望により金沢で実現したものです。
開会に当たり中村信一学長は,自らの体験をもとに「ルネサンスの都」フィレンツェでの感動が人に生きる力,考える力を与えてくれると挨拶しました。
クリスティーナ・アチディーニ女史は講演でフィレンツェのウッフィーツィ美術館をはじめ世界に冠たる美術館や博物館に保存されたルネッサンスの絵画や彫刻ばかりでなく,すべての建造物を含めた街並みをイタリアは国のシステムとして保存していると述べました。
続いて,宮下教授の講演「金沢大学の国際貢献プロジェクト:フィレンツェの壁画修復と復元」では,同プロジェクトの経緯や進捗状況について報告があり,フィレンツェ市民の文化芸術を育て守っていく精神を私たち日本人もしっかりと学び,今後も世界の約40%を占めるイタリアの世界遺産を守るために協力していきたいと述べました。