国連食糧農業機関(FAO)が認定する世界農業遺産(GIAHS)に選ばれた能登半島の里山里海を保全し,持続的発展を目指す「国際GIAHSセミナー」を1月14日,市内ホールで開催しました。これは本学が中心となり自治体と連携して運営する能登「里山里海マイスター」育成プログラムなどの主催によるもので,フィリピン大学,ドイツ連邦環境省,国連大学高等研究所,日本の食品企業などから講師とパネリストを招き,大学や行政の関係者90人が参加しました。
里山里海プロジェクト研究代表で,能登キャンパス構想推進協議会幹事長の中村浩二学長補佐(社会貢献担当)は「里山と農業の問題をグローバルな視野で語ることが必要であり,広がりと持続可能性の点から人材養成は欠かせない」と挨拶しました。基調講演では,フィリピン大学のイノセンシオ・ブオット教授が,世界遺産にも認定されているイフガオ棚田の農家が耕し続けるために,「景観を商品として扱うのではなく,コミュニティの中で守るべきもの」と話し,科学的なデータをもとに生物多様性などモリタニングする必要があると大学の役割を強調しました。
15日と16日には,能登の地域資源に触れるエクスカーションに30人が参加,輪島塗工房や千枚田,炭焼きの生産工場などを見学したほか,本学の能登学舎で里山里海の人材養成プログラムの修了生と意見交換をしました。
里山問題をグローバルに考える世界農業遺産セミナーを開催
掲載日:2013-1-17
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