理工研究域数物科学系の安藤敏夫教授,内橋貴之准教授らと東京大学の研究グループは,世界最速の高速原子間力顕微鏡を使い,セルロースを分解する酵素(セルラーゼ)分子が,セルロース表面で「渋滞」を起こすことで,分解の効率を下げている様子を観察することに成功しました。論文「Traffic Jams Reduce Hydrolytic Efficiency of Cellulase on Cellulose Surface」が,米国科学雑誌『Science』(9月2日号)に掲載されました。
この結果は,これまでなかった「分子が渋滞する」という基礎科学的に新しい知見であり,セルロース系バイオマスから液体燃料やプラスチック原料を効率よく生産するシステムの構築につながることが期待されます。