2月14日(土)に「いしかわ金沢学」特別コースを実施しました。内容はバレンタインデーにちなんで,黒と朱の輪島塗の箸に輪島塗特有の装飾技法である沈金を施し,夫婦箸をつくるというもの。講師の沈金師・前古孝人氏から,輪島塗の工程や特徴,沈金の技法などについて詳しい説明があり,ひとつひとつの工程に高度な技術が必要となる輪島塗の工程と,ノミで繊細な装飾を創りだす沈金の優美さに,参加者から感嘆の声が上がりました。
講義後,参加者は輪島塗の板にノミで彫る練習を行い,力加減やノミの角度などに苦戦しながらも,創りたい装飾を思い浮かべ,皆もくもくと作業に取り組みました。2時間ほど練習をして臨んだ箸への彫刻は,練習板との漆の質感の違いや曲面に彫る難しさに戸惑っていましたが,実際に金を入れた箸を手にすると,思わず笑みがこぼれました。
沈金は,道具が単純であるからこそ作り手の技術が問われる。そんな奥深さを知った講座となりました。