子どものこころの発達研究センターの棟居俊夫特任教授らの研究グループは,東京大学,名古屋大学,福井大学との共同で,医師主導臨床試験を行って,自閉スペクトラム症における対人コミュニケーションの障害に対する初の治療薬として期待されるオキシトシン経鼻スプレーの有効性と安全性を検証する臨床実験を開始します。また,医師による診察に加え,視線計測,表情や音声の定量解析,遺伝子解析などを行い,治療効果予測マーカーの確立や治療効果の分子メカニズムの検討なども行います。
今回の臨床試験は,少人数での検討で示された対人場面でのコミュニケーションの障害そのものに対する効果を大規模な試験を行って検証するもので,本臨床試験結果により,オキシトシンを医療に用いることを可能にする開発計画が進むことが期待されます。