基礎生物学研究所の森田慎一助教,新美輝幸教授と重信秀治教授を中心として,金沢大学疾患モデル総合研究センターの西山智明助教やモンタナ大学 Douglas J. Emlen 教授などが参加した国際共同研究チームは,カブトムシ Trypoxylus dichotomus septentrionalis の核ゲノムとミトコンドリアゲノム解読し,データベースを公開しました。
カブトムシの特徴である角がどのように獲得されたのかは,未だ明らかになっていません。詳細なゲノム情報は,角獲得の解明に対する鍵となると期待されています。今回研究チームは,次世代シーケンシング技術を用いてカブトムシのゲノムを解読し,角形成の遺伝的メカニズムを理解する基盤を確立しました。この新たなゲノム情報は,カブトムシの遺伝子機能や進化について包括的な解析を可能にし,これまでの研究を超える新たな可能性をもたらします。公開されたゲノム情報は,様々なカブトムシ研究の一助となることが期待されます。
本研究成果は,科学学術誌 『Scientific Reports』 に 2023 年 5 月 30 日付で掲載されました。
図:カブトムシ Trypoxylus dichotomus septentrionalis
ジャーナル名:Scientific Reports
研究者情報:西山 智明