金沢大学医薬保健研究域薬学系の吉田栄人教授がリーダーを務めるプロジェクト「ウイルスベクターを⽤いた異種プライム・ブースト2回接種型マラリアワクチンの研究開発」が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の令和6年度「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募 )」に、採択されました。
SCARDAは、感染症有事の際にワクチンを迅速に開発・供給するため、AMED内に設置された組織です。特に、ワクチン・新規モダリティ研究開発事業では、感染症有事にいち早く、一体的かつ機動的な予算の配分を通じ、産官学で連携し、基礎から実装化に向けた研究開発を推進しています。そして、安全で有効な、国際的に貢献できるワクチンを国内外に届けることを目標としています。
金沢大学が基幹となる本プロジェクトは、独自開発したウイルスベクターワクチンプラットフォームを技術基盤として、マラリア原虫の前赤血球ステージおよび生殖ステージに作用し、長期間効果が維持できるマラリアマルチステージワクチンの臨床応用を目指しています。
吉田教授の研究グループは、これまでAMED創薬ブースター事業およびGHIT Fundの支援を受け、熱帯熱および三日熱両マラリアに対する感染防御・伝播阻止効果の優れた特性を持つ「第二世代」の抗マラリアワクチンを開発し、動物モデル(非ヒト霊長類含む)での有効性・安全性を立証してきました。
本プロジェクトでは、本ワクチンの早期実用化に向け、ウイルスベクターの“潜在的disadvantage”である抗ベクター既得免疫によるワクチン効果への影響、異種ウイルスベクターを組合せるに当たっての生産面課題対策など、事前に設定したマイルストーンを達成した場合に、次のステージである臨床試験に進む可能性のあるプロジェクトとして、 令和6年度SCARDA支援事業に採択されました。
(※この記事は日本語のみ掲載)
マラリアを媒介するハマダラカ
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・ウイルスベクターを用いた異種プライム・ブースト2回接種型マラリアワクチンの研究開発
研究者情報:吉田 栄人