11月7日,2024年度江崎玲於奈賞審査会が行われ,ナノ生命科学研究所の安藤敏夫特任教授が同賞を受賞することが決定しました。
江崎玲於奈賞は,日本国内の研究機関においてナノサイエンスおよびナノテクノロジー,または量子効果が顕わに関わる物性分野の研究に携わり,新分野の開拓が期待できるとともに世界的に高い評価を得た研究業績を挙げた研究者を顕彰するもので,毎年原則1名に授与されます。安藤特任教授は,高速原子間力顕微鏡の開発が評価され,この度の受賞に至りました。
授賞式は,2025年2〜3月に,つくば国際会議場にて開催される予定です。
安藤特任教授のコメント:
まったく予想していなかったことですので大変驚いていますが,栄えある賞をいただくことができ,大変光栄に存じます。今回の受賞は,私が開発した顕微鏡(高速AFM)とそのバイオ応用研究についてご高配を賜った結果だと理解しています。
ナノスケールのタンパク質分子はすべての生命現象を担う高分子ですが,どのような仕組みで機能しているかはよく理解されていません。その大きな原因は,液中で活動しているタンパク質分子を動画映像として直接見ることができないからです。高速AFMはその不可能を初めて可能にしました。現在では様々なタンパク質分子やDNAが働いている様子を見ることができ,それにより,生命現象を詳しく理解できるようになっています。
成功への道のりは平坦ではありませんでしたが,多くの熱心な同僚,学生さんの協力に支えられて,何とか目標にたどり着くことができました。ここにあらためて感謝申しあげます。