6月12日,本学理工研究域機械工学系の得竹浩准教授が主要なメンバーとして開発に参加した火星探査飛行機(以下「飛行機」)の高高度飛行試験が北海道の大樹航空宇宙実験場で実施されました。飛行機は本学,JAXA,東北大学,九州大学などが共同で開発しており,本学は航法・誘導・制御系の主担当として参加しています。
この試験は,JAXAの科学観測用大気球を使い高度36kmの上空から飛行機を切り離して飛行させるもの。地球の高度36kmは火星とほぼ同じ空気密度,気温であるため,火星とよく似た環境での飛行試験を行うことができます。火星大気の密度は地球の約1/100と非常に薄く,飛行機はそれに適した設計にする必要があり,さらに火星は気温がマイナス60度と低く,強い突風が予想されるなかをGPSに頼らず地形や太陽方向を見ながら目的地まで飛行させなくてはなりません。今回の飛行試験で得られたデータを解析して今後の火星探査飛行機の開発に生かしていきます。
【参考】JAXA「大気球実験B16-01の実施終了~火星探査用飛行機の高高度飛行試験」