ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.37
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金沢大学広報誌|アカンサス No.37
これら3つの取り組みをとおして,学生にはもっと石川県を,企業にはもっと学生を知ってもらい,学生と企業がお互いに惹かれ合うことで,県内学生の県内就職率が高まっていけば良いと考えています。なるほど。それでは,そんな石川県の特性を生かした社会貢献の取り組みは,ほかに何かありますか?本学では,地域課題に取り組む人材や,自然と共生する持続可能な能登の社会モデルを世界に発信する人材を育成しようと,社会人を対象にマイスター育成プログラムを行っています。この取り組みは,既に10年ほど行っているのですが,平成28年4月からの「能登里山里海マイスター」育成プログラムでは,珠洲市の協力などにより,社会人のための本科だけでなく,留学生を対象とした英語コースも新たに開講して,さらに内容を拡充しています。こういった事業ができるのは,石川県に豊かな自然を残す能登半島があるからこそ,だと思いますね。また,公開講座では,金沢市にあるサテライト・プラザのみならず,能登の珠洲市や加賀の小松市などにもサテライト施設を設け,インターネット配信による同時中継で市民の皆さまにさまざまな学びの機会を提供しています。さらに,石川県ではないのですが,平成28年度からは, 隣県の富山県南砺市にある世界遺産五箇山にも「金沢大学五箇山セミナーハウス」を開所し,ミニ講座「シリーズ 世界遺産で学ぶ」を開講しています。金沢大学の社会貢献というと,やはり大学のある石川県やその周辺地域への貢献なのでしょうか?いえいえ。もちろん本学は石川県にある大学として地域と共に歩みますが,世界を見据えた戦略も掲げています。例えば,本学は,今後「全学的に卓越した教育研究,社会実装を推進する取り組みを中核とする国立大学」となることをめざしているのですが,これを実現するための戦略の1つとして「世界と地域の環流による研究成果の社会実装」という戦略を掲げています。「社会実装」とは,研究で得られた成果を社会問題解決のために応用,展開することで,さらに,戦略の中では,共同研究,受託研究などに関する具体的な目標値も設定し,その達成をめざしています。こういった企業などとの研究の成果は,この地域のみならず,日本全国,ひいては世界に還元されるものと考えています。 最後に,福森理事の大学の社会貢献に対する思いを聞かせてください。私は,大学の社会貢献とは,それ単体で成し得るものではなく,大学の教育・研究活動が充実してこそ,その活動の先にあるものだと考えています。本学の教育・研究活動などで獲得されたさまざまな知識や情報,技術が社会に還元されるためには,まずは「教育」,「研究」という大学の重要な機能を十分に果たすことが一番大事だと思います。学生らが起業を体験するプログラム。事業計画書を作ったり、ビジネスプランをまとめたりする座学に加え,学生自らが複数回にわたりビジネスを立ち上げるのが特徴。詳しくはP14へ※7 起業塾「いしかわ未来アカデミー」研究成果を還元する地域と世界を見据えた戦略―理事―理事―理事平成19年度に能登の珠洲市や輪島市,穴水町,能登町などの協力を得て前身の「能登里山マイスター」育成プログラムを開始し,平成24年には名称を現在のものに改めるとともにプログラムも拡充。これまで県外からの移住者30名を含めた128名が修了している。※8 「能登里山里海マイスター」育成プログラム※8※9※10 共同研究とは,企業等の研究者と本学の教員とが共通の研究課題について対等の立場で共同して研究を行う制度。受託研究とは,企業等から委託を受けて本学の教員が業務として実施し,その成果を委託者に報告する制度。本学における平成27年度の共同研究と受託研究の合計件数は,469件であり,10年前と比べると約66%増えている。※10 共同研究,受託研究500450400350300 283 291314338 330364392 399403469250200150100500平成18 平成19 平成20 平成21 平成22 平成23 平成24 平成25 平成26 平成27[件][年度]遠隔地配信システムを利用し,本学の学びと情報を双方向に発信することで,学びの場および市民交流の場となるよう設置されたもの。珠洲市は,「すず市民交流センター」内に,小松市は「小松ビジネス創造プラザ」の一角にそれぞれ施設が置かれている。※9 サテライト施設珠洲サテライト小松サテライト4 37