ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.42

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概要

金沢大学広報誌|アカンサス No.42

Research strategy goes sky high. -金沢大学研究力の飛翔-ナノマテリアル研究所~次世代の材料開発に挑む~人々の生活に役立つ新たな材料の開発と高機能化,実用化を視野に入れた研究開発を推進します。生活をより良く変える新たな材料を世の中へ人々の生活の質的向上と持続的な社会の実現に向け,本学はこれまで,超分子化学および材料科学分野において,革新的な新規材料の研究開発に取り組んできました。しかし,その実用化に当たっては,機能性の向上や効率性の維持などの面でさまざまな課題が生じるため,原因究明や解決策の模索が不可欠です。そこで,平成30年8月に設立した本研究所では,ナノ計測学や数理計算科学の技術を活用し,ナノレベルでの構造の可視化や高度なメカニズム解析を行うことで,実用化への課題を解消します。さらに,複数の分野による統合的なアプローチによって,新規材料の開発と高機能化,そして実用化に向けた研究開発をより一層加速させます。研究開発の取り組み本研究所では,超分子を活用した機能性材料とダイヤモンドパワーデバイスの2つを軸とした研究開発を推進しています。超分子は,個々の分子では得られない特異な性質・構造を有し,さまざまな材料への応用が期待されています。また,ダイヤモンドパワーデバイスは,従来のシリコン製に比べて,電力ロスを数万分の1に低減できるとされています。次世代の材料開発とその実用化に向けて,国内外の研究機関や民間企業などとのさらなる連携を築き,相互の強みを生かした共同研究によって社会的イノベーションの創出を目指します。※1機能性材料:多様な性質を持ち,さまざまな機能を発現させる材料。※2パワーデバイス:電力変換器に用いられる半導体素子。※1※2超分子を活用した機能性材料個々の分子NEW超分子これまでにない新たな機能性材料を開発ダイヤモンドパワーデバイスダイヤモンドパワーデバイス高機能・高効率化に向けた研究開発Topics金沢大学が誇る研究者文部科学省および日本学術振興会から高く評価された本学の研究者を,その顕著な研究業績と共に紹介します。平成30年度文部科学大臣表彰(平成29年度)第14回日本学術振興会賞科学技術賞(開発部門)可搬式で高速高性能なX線応力測定装置の開発人間社会研究域人間科学系佐々木敏彦教授工業材料などの強度に関わる残留応力のX線計測において,新技術の導入に成功するとともに,X線応力測定の実機適用性の進展と高速・高精度化を実現しました。生産基盤の優位性維持や,社会インフラの安全性確保などに資することが期待されています。科学技術賞(研究部門)内分泌臓器としての肝臓の研究医薬保健研究域医学系篁俊成教授糖尿病・肥満症患者の肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」を複数特定し,糖尿病病態形成を証明するとともに,多様な「細胞内シグナル抵抗性」を惹起する新たな機序を解明。今後,疾患の病態解明や臓器間ネットワーク研究への寄与が期待されます。人工衛星搭載ガンマ線偏光検出器によるガンマ線バーストの放射機構の研究理工研究域数物科学系米德大輔教授ガンマ線偏光検出器でGRBを観測し,高い有意度での偏光検出を実現するとともに,短時間で偏光角が大きく変化するという,放射機構を特定する有力な手がかりを獲得。GRBが,電子などが強磁場に絡むことで放出される電磁波であることを強く示しました。科学技術賞(研究部門)ガンマ線偏光天文学の開拓によるガンマ線バーストの研究理工研究域数物科学系米德大輔教授自ら開発したガンマ線偏光検出器によって,宇宙最大の爆発現象「ガンマ線バースト(GRB)」の観測を世界に先駆けて実施し,ガンマ線偏光や偏光角の時間変化の検出に成功。その観測データの分析により,宇宙の起源に迫る手がかりが得られると考えられています。若手科学者賞革新的原子間力顕微鏡による生体分子の動的構造に関する研究ナノ生命科学研究所柴田幹大准教授革新的原子間力顕微鏡(高速AFM)を用いて,光に応答する膜タンパク質のナノスケールでの構造変化を世界で初めて可視化するとともに,脳神経科学との融合により,生きた神経細胞の形態変化の撮影に成功。生命科学における高速AFMの有用性・将来性を実証しました。ミオシン分子の歩行運動の直接高解像度動画映像の取得ナノ生命科学研究所古寺哲幸教授高速AFMを用いて,生体内で物質輸送を行うタンパク質であるミオシンV分子が,アクチン線維に沿って歩行運動する様子を世界で初めて動画映像として捉えることに成功。この結果が示唆する新しい分子メカニズムと共に,世界中に大きなインパクトを与えました。429

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