ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.43
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金沢大学広報誌|アカンサス No.43
コミュニティ・デザイン-地域と共に考える「まちづくり」-石川県小松市山間部の地域活性化を目指して人間社会学域地域創造学類環境共生コースの農村戦略論ゼミは,過疎・高齢化が進む石川県小松市の西俣町および打木町で,地域振興に向けた活動に取り組んでいます。平成30年夏には,西俣町の恒例行事「西俣ふるさとまつり」にブースを出展し,町の文化・伝統の継承をテーマにした企画で祭りを盛り上げました。また,同年秋には,2つの町の住民が参加するワークショップをそれぞれの町で開催。豊かな自然が楽しめる施設が充実する西俣町と団結力をもって農業に取り組む打木町といった,それぞれの町の特長や強みを生かした地域振興策の創出を後押ししました。西俣ふるさとまつりでのブース出展参加学生の声西俣町と打木町が連携するきっかけづくりとして企画・実施したワークショップでは,町の魅力や課題,連携の仕方など,住民の方々とさまざまな意見を交わしました。私たちがまちづくりに関わることで,今後,どちらの町もさらに活性化が進めばうれしいです。農村戦略論ゼミ(担当教員:人間社会研究域人間科学系林直樹准教授)石川中央都市圏における広域観光の可能性を探る石川県中央部にある金沢市,白山市,かほく市,野々市市,津幡町,内灘町で構成される「石川中央都市圏」。人間社会研究域人間科学系の丸谷耕太助教は,田村うらら准教授や両教員が担当するゼミの学生と共に,金沢市を起点とした石川中央都市圏の広域観光に関する研究に取り組んでいます。丸谷助教らは,金沢市の周囲に位置する3市2町の観光資源や地域課題を抽出するため,アンケートや現地での聞き取り調査を実施。その結果を踏まえ,各自治体や現地の観光関連団体などと意見を交わしながら,各地の観光資源をつなぐ広域観光プランを検討しています。今後,これらのプランをまとめた冊子の制作などを通して,石川中央都市圏における自治体連携のさらなる推進につなげていきます。現地で観光資源を探す学生ら地域の特徴を読み解き,より良いまちづくりへコミュニティ・デザインという言葉は,約40年前にアメリカで行われた市民参加型のまちづくりが起源の1つとされています。コミュニティ・デザインの第一歩は,地域の方々から話を聞き,その地域の生態系や伝統・文化,住民の知恵や思いを理解すること。そこに学術的な知識や手法を取り入れ,その地域に合った方策を提案していくことが,我々の役割だと考えています。行政や関連団体,地域の方々と共に,地域を盛り上げていきたいです。人間社会研究域人間科学系丸谷耕太助教4 43