ナマステ！私は2013年8月から1年間インドはブネー，ティラクマハラシュトラ大学に留学しました。インドは12億人以上の人口を持つ超大国で経済発展がめざましく，次世代の世界の牽引役として注目されています。インドは「世界の縮図」と呼ばれるように，多様な言語，宗教，地域から構成されており，文化的にも非常に興味深い国です。

ティラクマハラシュトラダ大学で私が所属していたのはIndology（インド学）コースです。インドの宗教建築，美術史，インド哲学，古代の社会システムなどを学びました。インドの文化は日本の文化にも通底するところがあり，自国の文化を見直す違った視点を得ることが出来ました。

私のコースでは英語7割，現地語（マラティー語）3割で進められ，ついていけなくなることも多々ありましたが，個人的に補足をしてくれるなど先生やクラスメートは非常に良くしてくれました。他の学科では全て英語で授業が行われることもあるようで，外国人向けの英語コースも無料で受けられました。アラブ諸国やアフリカからの留学生が多く，英語レベルにはばらつきがありますが，他の派遣先の大学とは一風変わった体験が出来ると思います。学外には英語はもちろん，ヒンディー語や現地語の語学塾などもあり，それを利用してスムーズに語学を学ぶことが出来ます。とはいえ，インドの英語は「ヒングリッシュ（ヒンディー語の発音の影響を受けた英語）」と呼ばれ，独自性があります。留学の目的が本気で英語を伸ばしたい場合は，向いていないかもしれません。私は英語以外に，マラティー語の個人レッスンを受けていました。

最初は大学が用意してくれたゲストルームに，その次に，インド人と住んでみたくなり6人1部屋のルームシェア，そして，最終的にはお手伝いをさせてもらっていたNGOのゲストルームと，計3つの場所に住みました。環境を変えて様々なバックグラウンドをもつ人たちと話す機会を増やしたことは，インド社会の一端を知る良い機会となりました。

残念ながら，ヨーロッパに留学した人が経験するようなパーティーや飲み会のような娯楽はほとんどありません。しかし，街はインドらしい喧噪に包まれて，活気にあふれています。けたたましく鳴るクラクション，人であふれかえった道，チャイを飲み笑い合う人々。わたし自身，インドを歩いた時に感じる「生」の雰囲気がたまらなく好きです。

「インドに行くと価値観が変わる。」とはよく言われます。基本的に私たちの常識はインドでは通じません。彼らの常識がどのように形成されたかたを考えると同時に，我々が無意識に受け止めていた常識もなぜそうなのかを考えるきっかけとなりました。日常生活でこんなに自分の価値観が揺さぶられる国は他にないでしょう！

留学は手段であって，目的ではありません。行ってどうするかという意識を持つべきだと思います。自分のイメージしていたものとミスマッチである場合もあるかもしれません。その時に自分をどう調整するかも大事ですが，今はインターネットで何でも調べられるので，たくさん情報を仕入れて，まずはそうならないのがベストです。しかし，百検索は一会にしかず！もし少しでも興味があれば，僕や先輩方，先生方，職員の方々へ相談してください。僕がしてもらったように，最大限のサポートをしてくれるはずです。

みなさんが実りある留学ができるよう願っています！

 

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（掲載日：2015年3月2日）